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海外テニス

21歳アルカラスが「夢見てきた」全仏OPで初優勝!四大大会の全サーフェスを史上最年少で制覇し“ナダル超え”<SMASH>

中村光佑

2024.06.10

グランドスラム3勝目を飾ったアルカラス。21歳にして早くも四大大会の全サーフェス(ハード、芝、クレー)制覇でナダルの持つ記録を抜いた。(C)Getty Images

グランドスラム3勝目を飾ったアルカラス。21歳にして早くも四大大会の全サーフェス(ハード、芝、クレー)制覇でナダルの持つ記録を抜いた。(C)Getty Images

 テニス四大大会「全仏オープン」は大会最終日の現地6月9日に男子シングルス決勝を実施。第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)が第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同4位)を6-3、2-6、5-7、6-1、6-2のフルセットで下し、同大会初の優勝並びに四大大会3度目の優勝を飾った。

 21歳の若きヒーローがまたしても新たなマイルストーンを手にした。クレーシーズンに入ってからは右腕の負傷に悩まされ、前哨戦のイタリア国際(イタリア・ローマ/ATP1000)は欠場を余儀なくされたアルカラス。そんな中で迎えた今大会は同箇所のケガの影響を感じさせない素晴らしいプレーで勝ち上がり、準決勝では4時間を超える大接戦の末に宿命のライバル、ヤニック・シナー(イタリア/2位)を2-6、6-3、3-6、6-4、6-3で撃破。苦しみながらも全仏初制覇に王手を懸けていた。

 決勝で顔を合わせたのは、22年の全仏で負った右足首の大ケガから見事に完全復活を遂げた27歳のズベレフ。今大会は初戦で全仏最多14度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現275位)を破って以降は苦しい試合を次々と乗り越え、20年の全米オープン以来となる四大大会決勝へとたどり着いた。

 大注目の一戦となった今回の決勝は、ジェットコースターのような目まぐるしい展開となったが、最後にはアルカラスの勝負強さが勝った。
 
 立ち上がりは硬さが見られた両者。そうした中でもアルカラスは持ち前の多彩なプレーでリズムをつかみ、第1ゲームでいきなりズベレフのサービスを破る。直後の第2ゲームでは自身のミスが続いてブレークバックを許すも、第5ゲームでは相手に圧力をかける攻撃的なプレーで再びブレークを奪取。チェンジオブペースを交えながらラリー戦を支配したアルカラスが43分で第1セットを先取する。

 第2セットは出だしから緊迫の攻防が繰り広げられる。10分以上の攻防の末に第1ゲームをキープして流れをつかみかけたアルカラスだったが、粘り強いプレーで対抗してくるズベレフを崩すことができない。反対に自身はズベレフの深いショットに苦戦を強いられ2度のブレークを献上し、1セットオールとされる。

 続く第3セットも互いにキープを継続するシーソーゲームに。先に均衡を破ったのはアルカラスだった。第6ゲームでは正確なリターンを起点にポイントを先行し、勢いそのままにラブゲームでブレークに成功する。しかしサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームを落とすと、第11ゲームではもったいないミスを連発。2-5から逆転を許してセットを落とし、後がない状況に立たされる。
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