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ウインブルドン4強入りのジョコビッチをマッケンローが擁護!「彼はまるでダース・ベイダーのようだ」<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.07.12

あまりにも強いがゆえにジョコビッチは悪役扱いされているとマッケンローは擁護する。(C)Getty Images

あまりにも強いがゆえにジョコビッチは悪役扱いされているとマッケンローは擁護する。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」の男子シングルスで、準決勝に進出したノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク2位)。ロジャー・フェデラーに並ぶシングルス最多8回目の優勝へ順調に歩みを進める元世界1位だが、ホルガー・ルネ(デンマーク/同15位)との4回戦後に、試合中の観客の行為を非難する一幕があった。

 それは勝利後のオンコートインタビューだった。ジョコビッチは試合中に「ルネ(Rune)」の最初の母音を伸ばして叫ぶ形でブーイングを浴びたと訴え、観客に向けて「おやすみ(Good Night)」を同様に伸ばし、3度ノイズを発した。

 一部の観客の敬意を欠く行為を避難したわけだ。元王者が素晴らしいプレーで準々決勝進出を決めたばかりだったが、スタンドは微妙な空気に包まれてしまった。

 この一件を受け、80年代にウインブルドンで3度優勝したジョン・マッケンローは「彼はまるでダース・ベイダー(映画スターウォーズの悪役)のようだ」と、アンチヒーローに例えてジョコビッチを擁護している。

 かつてファンに愛され、そして憎まれもした“元祖悪童”が英メディア『BBC』の解説で指摘したのは、ジョコビッチはその活躍に相応しくない扱いをずっと受けてきたということだ。

「ここ10~15年の間に、ジョコビッチがその強さゆえに軽んじられてきた試合が、少なくとも100試合はあったはずだ。彼がそんなに悪いことをしたか?彼はそれを望んでいるのか?彼は誰よりもハードに戦っている。ルックスのせいか、出身地のせいか?」

「ラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーという、これまでのテニス界で最も上品な2人と比べると、彼はまるでダース・ベイダーのようだ」
 
 確かに、2大スターが得てきた絶大なる支持に比べると、ジョコビッチへのそれは遠く及ばないように見える。四大大会優勝回数や1位在位期間など、数多くの記録で2人を上回るにもかかわらずだ。それでも彼はそんな負のエネルギーも糧にして、最高のテニスを披露してきた。

「2人の功績に肩を並べるものはいない。そして、ジョコビッチがそれを台なしにしている。でもそれなら、彼をリスペクトしてはどうだろう。ジョコビッチは最もひどい目に遭ってきた選手であり、だからこそ、彼が最も偉大な選手だと私は言いたいんだよ」

 先の「全仏オープン」4回戦で右ヒザを傷めたジョコビッチは、準々決勝を棄権し、翌日に手術を受けた。そしてタイトな日程を乗り越え今大会で復帰したのは、ウインブルドンだからこそだろう。

 初戦でビット・コプリバ(チェコ/同123位)をストレートで退けると、2回戦でジェイコブ・ファーンリ(イギリス/同277位)に、3回戦でアレクセイ・ポピリン(オーストラリア/47位)に1セット奪われるも、4回戦ではルネに再びストレート勝ち。準々決勝はアレックス・デミノー(オーストラリア/同9位)の棄権で不戦勝となり、準決勝ではイタリアのロレンツォ・ムゼッティ(同25位)と対戦することが決まっている。

 果たして次戦、元王者はセンターコートの観客にどう迎えられるのだろうか。もしブーイングが聞こえたとしても、37歳は勝利への飽くなき欲求をたぎらせるはずだ。

構成●スマッシュ編集部

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