元RIZINバンタム級王者の朝倉海が現地８月16日、UFCフライ級11位ティム・エリオット（米国）に一本負けを喫した。約８か月ぶりの再起戦だったが無念のギブアップ負けに米メディアから厳しい視線が注がれている。

　UFC２戦目に臨んだ朝倉は得意の打撃で攻撃のリズムを作りながら、鋭いワンツー、左フックで相手の顔面にパンチを当てていく。終盤、左ハイキックを繰り出すが相手に掴まれてそのままテイクダウン。抑え込まれたもののうまく回避する。トリッキーな動きを見せるエリオットの誘いに乗らず、落ち着いた表情で第１ラウンドのゴングが鳴った。

　第２ラウンドはエリオットが手数を出しつつ、レスリング仕込みのスピードあるタックルを仕掛ける。寝技を警戒し、なかなか打撃が出せない朝倉は攻撃の糸口を掴めない。
　
　するとエリオットが一瞬の隙を突いて、朝倉の両足にタックルしてテイクダウンを奪う。寝技に持ち込まれて動きを封じられた朝倉は必死に抵抗するも防戦一方。残り30秒過ぎ、上から裸絞めを受けてそのままチョークに屈した。

　またもUFC初勝利を掴めずうなだれた朝倉。失意を隠せない表情でオクタゴンを離れた。
  　米格闘専門メディア『MMA Junkie』はこの試合について、「38歳のエリオットが下馬評を覆す最大の勝利！」と紹介。元RIZINファイターを撃破したベテランのテクニックを称賛した。

　同メディアは「元RIZINチャンピオン、カイ・アサクラを２回４分39 秒、マウントギロチンチョークで仕留めて番狂わせを起こした。エリオットはスクランブルでアサクラの首を掴んで、日本のフライ級ファイターの上に乗り上げると、そのまま首をロックしてタップアウトを奪った」と説明。終わってみればエリオットの実力が一枚上だったとし、直近５試合で４勝１敗としたベテランの勢いに目を細めた。

　一方、敗れた朝倉については手厳しい。「彼は日本の総合格闘技界の王様だ。2024年にUFCと契約する前は、RIZINを代表するひとりだった」と一定の評価はしていた。しかし、昨年12月のUFC初戦でフライ級王者アレシャンドレ・ パントージャ（ブラジル）にリアネイキッドチョークで一本負けした事実を引き合いに出すと評価は急落。「デビュー戦と同じように、この試合も２ラウンドでサブミッション負けを喫した」と記し、元RIZIN王者の肩書きを疑問視。UFCファイターとして「実力不足」だとし、バッサリ切り捨てた。
　
　世界最高峰のリングでベルト奪取の目標を掲げた朝倉。元RIZIN王者にとって厳しい２連敗となった。

構成●THE DIGEST編集部

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