アルファタウリ（現レーシングブルズ）の元チーム代表フランツ・トスト氏は母国オーストリアの専門メディア『SPEEDWEEK』のインタビューに応じた。現在レッドブルでの苦戦が続く“愛弟子”角田裕毅の残留へ厳しい見方を示しつつ、さらなる奮起を求めた。

　角田が残留できるかは「彼次第だ」と語るトスト氏。「ユウキは非常に才能のあるドライバーだが、レッドブルに加入して以来、期待されていたほどの実力を発揮できていない」と冷静に現状を評価している。「ユウキには良い結果が求められている。それが果たされなければ、彼の将来の展望は暗いだろう」とシビアだった。

　ただ、全てが角田の責任とは考えておらず、むしろマシンに問題があるとトスト氏は考えているようだ。「これまで十分な戦闘力のマシンを用意できていない。そのため、（角田の好成績に）重要なのは適切なパーツを導入できるかだ」と説いた。
  　そのマシン性能不足の理由については「最大の要因は、間違いなく数人の上級幹部がチームを去ったことだ」と断言。元チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイ氏（現アストンマーティン）、元チーフエンジニアリングオフィサーのロブ・マーシャル氏（現マクラーレン）、元スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリー氏（現ザウバー）の名前を挙げ、「このような離脱に容易に対応できるチームはないだろう」との考えを明かした。

　一方で、前戦オランダGPでアイザック・ハジャーの初の表彰台獲得を支えた古巣には賛辞を惜しまない。「新チーム代表のアラン・パーメインは現在レッドブルを率いるローラン・メキースと同等の活躍を見せてくれるだろう」と絶賛。「リアム・ローソンも復調し、ポイントをチームに持ち帰っている。レーシングブルズはすでに６位争いに加わっており、（６位は）間違いなく手の届く範囲だ」と中団勢上位の実力だと太鼓判を押した。

　そして、ハジャーについても「アイザックはデビューイヤーに好成績を残し、今はさらにモチベーションが高まっている。ザントフォールト（・サーキット／オランダGP）での表彰台は、今後のレースに大きな自信をもたらすだろう」と期待。「初めてのサーキットでは焦りすぎは禁物。まだ学習段階なんだ」とコメントし、“指揮官”としての一面を垣間見せた。

構成●THE DIGEST編集部

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