F１は今週末、ダブルヘッダーの２戦目となる第16戦イタリア・グランプリがモンツァで開催される。

　F１公式サイト『F1.com』は、この伝統のレースについて５つの見どころを挙げているが、そのひとつとして、オランダGPで見事な３位入賞を飾ってキャリア初表彰台を手にしたレーシングブルズのフランス人ルーキー、アイザック・ハジャーが、その勢いをチームの本拠地であるイタリアへ持ち込み、再度好成績を挙げられるかに関心を示すとともに、レッドブルの「セカンドドライバー」の座をめぐる争いにも言及している。

  「マックス・フェルスタッペンの隣のシートは、今季のドライバー市場で特に注目されるポイントだ。角田裕毅が現在その座を守っているが、過去にリアム・ローソンやセルジオ・ペレスが直面したのと同じ課題に苦しんでいる」

　オランダGPでようやく８戦ぶりの入賞（９位）を飾った日本人ドライバーの現状をこう伝えた『F1.com』は、さらに彼が今季序盤の２戦をともに戦ったルーキーとの好対照ぶりを強調した。

「一方でハジャーはシーズン序盤に印象的な走りを見せたが、ルーキーとして経験を積む段階にあり、スペインGP以降はサマーブレイク前までわずか１ポイントしか獲得できなかった。しかしその流れを打ち破ったのが、オランダで予選４番手から決めた衝撃的な表彰台だ。これで一気にレッドブル昇格の議論の中心に飛び込んだ。もしモンツァでも再び印象的な走りを見せられれば、このフランス人にはいっそう勢いが加わるだろう」

　同メディアでは、元F１ドライバーで現在はコメンテーターを務めるジョリオン・パーマーが、「ハジャーは来年レッドブルに昇格すべきか？　角田がトップチームで苦戦し続けている現状と合わせると、ルーキーにとっては明白な昇格の道に見える。そしてオランダGP後は、その可能性がさらに高まっているはずだ」との見解を示す。

　しかし、続けて「彼自身は昇格に懸念を示している。今のレッドブルの車は明らかに扱いづらく、高いポテンシャルを引き出す“スイートスポット”を見つけるのは大きな挑戦だ。
角田はフェルスタッペンと組んでからパフォーマンスが後退し、逆にローソンは降格後に成績が向上している。両者の自信と安定感の違いは顕著だった」として、このフランス人の最適な昇格時期に言及した。

「アイザックは、この２人よりも有望に見える。予選での速さは大きな武器であり、オランダでは速い車からのプレッシャーを受けながらも冷静に走り抜いたし、フェルスタッペンの背後に食らいついて表彰台を獲得した点も評価できる。彼の攻撃的なスタイルは、スムーズで正確な操作を要求する『RB21』には適さないかもしれない。しかし来年はレギュレーション変更により車が大きく変わるため、ハジャーにとっては有利に働く可能性がある。今季中の昇格は自信を削ぐかもしれないが、来季は絶好の機会となり得る」