９月13日、34年ぶりに東京世界陸上が開幕した。男子100メートル予選が行われ、昨年のパリ五輪金メダリストに輝いたノア・ライルズ（米国）が９秒95の３組１位で準決勝進出を決めた。ゴール後には漫画ドラゴンボールに出てくる必殺技「かめはめ波」ポーズのパフォーマンスで会場を大いに盛り上げた。

　前回大会３冠の五輪王者が盤石の強さをみせた。抜群の反応で好スタートを切ると、中盤からぐんぐんスピードを上げてほぼ独走状態。余裕ある走りでフィニッシュした。

　レース後、王者は「今シーズン最高のスタートだった」と話し、ご機嫌な表情でミックスゾーンに現れると、「リラックスして走ることに集中したよ」と振り返った。
  　ドラゴンボールを皮切りに日本のアニメや漫画をこよなく愛し、『呪術廻戦』や『東京喰種』などを読破。そんな日本大好きな世界王者は取材エリアで大きな紙袋から額縁に入った絵を取り出した。それは人気アニメ『刃牙』の作者・板垣恵介氏が描いたという似顔絵。報道陣に自慢げに披露し、「日本のメディアを通じてもらったんだ。バキというアニメの作者で、俺も大ファンなんだ。ショーケースに入れるよ」と大喜びだった。

　また、東京での滞在については「カラオケがしたいけど、まだ時間が見つけられないんだ。でもショッピングは楽しんでいる」と明かし、リラックスした様子を窺わせた。

　世界最速の男が大好きな日本のアニメをパワーに変え、さらなるパフォーマンスを発揮する。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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