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陸上

男子マラソン、ゴール寸前で歴史的な大逆転金! 有力選手“脱落”続出の過酷レースに疲労感「非常に厳しかった」「TOKYOを初めて走ったが…」【世界陸上】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.09.15

注目を集めた男子マラソン。タンザニアのシンブが接戦を制した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

注目を集めた男子マラソン。タンザニアのシンブが接戦を制した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 34年ぶりの東京世界陸上は9月15日に3日目が行なわれ、男子マラソンは史上空前の大接戦となった。タンザニアのアルフォンスフェリックス・シンブがドイツのアマナル・ペトロスとの競り合いで同タイムフィニッシュ。写真判定の末、逆転金メダルでの決着となった。

 誰も予想できない結末が待っていた。終盤まで先頭集団には5人が並び、残り1キロを切ったところでメダル争いは3人に絞られる。トラック勝負に持ち込まれた最終局面の勝負は先にスパートしたペトロスが抜け出し最後の直線へ。だが諦めないシンブが外から猛追し、ペトロスと並んでゴールに飛び込んだ。
 
 両選手は2時間09分48秒と同タイムだったが数ミリ差で、シンブに軍配が上がった。
 
 タンザニアに男子マラソン史上初の金メダルをもたらしたシンブは母国の国旗を肩にかけて取材エリアに現れた。「タンザニアの歴史を作ることができた。本当に嬉しい」と白い歯をみせた、「国立競技場に入ったとき、他の選手たちも頑張っていたが、私は『ラスト1000メートルを切ったら、スパートをかけよう』と自分に言い聞かせながら走ったよ」と話し、衝撃スパートの瞬間を振り返った。

 スタート時の気温が27度、湿度75パーセントの高温多湿な環境でスタートした男子マラソンは五輪や前回大会の有力ランナーらが途中棄権、脱落が相次ぐ波乱の展開になった。レース中の天候については「非常に厳しいレースだった」とコメント。「スタートのときは少し暑かったけど、7キロくらい進むと涼しくなってきた。私にとってはプラスに働いたね。給水所では毎回水を飲み、氷も取って体を冷やした。これが功を奏したと思う」と話し、的確な水分補給のタイミングが勝利につながった。

 世界陸上のマラソンは17年ロンドン大会の銅メダルが最高記録。過去、あと一歩のところで届かなかったが、ようやく悲願の頂点に立った。「今日初めてTOKYOで走って、チャンピオンになった。競技場に入ってきた時に、日本の皆さんが応援してくれているのを見て、エネルギーをもらったよ。いいフィニッシュをすることができた」と感謝の言葉を忘れなかった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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