陸上

藤井菜々子が銅メダル!! 女子20km競歩1時間26分18秒の日本新記録、日本女子史上初の快挙!【世界陸上】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.09.20

藤井は銅メダルを獲得。日本記録も更新した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 9月20日、東京世界陸上8日目は女子20km競歩が行なわれ、日本記録保持者の藤井菜々子が1時間26分18秒で銅メダルを獲得。この種目で日本女子史上初のメダルを獲得した。

 コースは国立競技場をスタートし、明治神宮外苑のイチョウ並木などを巡る1周1キロの周回コースを18周した後、国立競技場に戻ってフィニッシュする。スタート時の気温は21.3度、湿度91%、天候は曇り。日差しはなく、過ごしやすいコンディションで午前7時30分に号砲が鳴った。

 世界陸上3度目の入賞を狙う藤井は序盤から先頭集団につけ、22年オレゴン大会優勝のキンベルリ・ガルシアレオン(ペルー)、パリ五輪金メダルの楊家玉(中国)、前回女王のマリア・ペレス(スペイン)、21年東京五輪金メダルのアントネラ・パルミザノ(イタリア)らメダリストがレースを引っ張る。

 7km通過時点でペレスが30分39秒でトップ、藤井が5番手にピッタリつける。19年ドーハ大会で6位入賞している岡田久美子が36秒差、21歳の立命館大生・柳井綾音が2分4秒差で追いかける。

 半分の10km過ぎ先頭集団は変わらず。前回大会5位入賞のアレグナ・ゴンサレス(メキシコ)が4番手に浮上。藤井は1秒差の5番手で食らい付いていく。

 少し日差しが出てきた13kmでゴンサレスがトップに浮上し、今大会35km競歩で金メダルに輝いたペレスが2番手でペースアップ。世界記録保持者の楊家玉(中国)が1秒差、藤井は2秒差で後方に控える。

 終盤にペレス、ゴンサレスがハイペースで進むなか15km過ぎに藤井が3番手に浮上。差のない距離でピッタリつけ、メダル圏内を射程圏内に捉える。ペレスがさらにペースを上げて一歩抜け出し、4秒差でゴンサレス、藤井が5秒差の3番手でペレスを追走。自らが持つ1時間26分33秒の日本記録更新の可能性も出てきた。
 
 残り1周(18キロ通過)でメダル争いはペレス、ゴンサレス、藤井に絞られる。4番手のガルシアレオンとの差は10秒差。沿道のファンから藤井に大きな声援が飛ぶ。

 残り1キロでガルシアレオンが猛追。3秒差で藤井をおいかける。トップはペレスが独走。世界陸上史上初の2大会連続二冠を視界に捉える。

 金メダルはペレス(1時間25分54秒)、国立競技場に戻ってきた藤井は大歓声を浴びて最後まで力強く腕を振り、3位でフィニッシュ。ガルシアレオンを振り切り、日本競歩界に新たな金字塔を刻んだ。

▼女子20km競歩
金メダル マリア・ペレス 1時間25分54秒
銀メダル アレグナ・ゴンサレス 1時間26分06秒
銅メダル 藤井菜々子 1時間26分18秒 ※日本新記録

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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