昨オフにレッドブルのシートを争った２選手が来季グリッドから姿を消す可能性が出てきた。

　今季のF1も残すところ７戦。シーズンも佳境を迎えるところだが、レッドブルの来季セカンドドライバーの発表が未だない。他陣営のドライバー・ラインアップが埋まりつつあるため、候補として挙げられているのはレッドブル・グループの角田裕毅（レッドブル）と前任のリアム・ローソン（レーシングブルズ）、アイザック・ハジャー（同）の３人に絞られている状況だ。

　元F1ドライバーのラルフ・シューマッハ氏はポッドキャスト番組『Backstage Pit Lane』でレッドブルのシートを掴むのは「現時点ではアイザック・ハジャーだと思う」とコメント。しかし角田についてもその速さを認め、前戦アゼルバイジャンGPの６位入賞を振り返り、「すでに好調な時のセルジオ・ペレスのレベルに達していた」と高評価。以下のように角田にポジティブな見解を示した。

「もしチームがツノダも有力候補だと考え、ツノダのドライビングとマシンの特性が互いに近づいているのであれば、選択肢となるだろう。（新代表）ローラン・メキースは人間味あふれる素晴らしい仕事をしており、ツノダを非常によく理解している」
  　また、もうひとつ注目されているのは、現時点で来季２席とも空いているレーシングブルズ。現時点ではレッドブル育成のアービッド・リンドブラッドがハジャー昇格に伴って空いたシートを獲得すると考えられている。

　そしてにわかに候補として浮上したのがマクラーレンのリザーブドライバーを務めるアレックス・ダンだ。シューマッハ氏は、先日レッドブルのヘルムート・マルコ顧問が会談したという19歳がリンドブラッドの相棒になる可能性があると考えている。ただ同氏は、同グランプリで角田を上回る５位入賞を果たした、ローソンの残留を推している。

「（新人２人のラインアップは）確かに選択肢になり得る。ただ、レーシングブルズが好成績を収めているおかげで（チーム自体への）期待値が高まっており、F1経験のあるドライバーを残さなければ不公平だ」

　角田とローソンは、今季開幕２戦を終えて入れ替わる形でチーム移籍。以降、ともに苦しみながらも徐々に成績を上げ、バクーでようやく努力が実を結んだ。両者は来シーズンどのように開幕を迎えるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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