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格闘技・プロレス

【スターダム】異例の“地上波生中継”も実現… 勢い増す“上谷現象”、2冠王の先に見据える夢は「お前らを東京ドームまで連れてってやるよ」

THE DIGEST編集部

2025.10.01

AZMとの一戦を制し、2冠を獲得した上谷。今季のプロレス界の顔となった印象だ。写真:橋本宗洋

AZMとの一戦を制し、2冠を獲得した上谷。今季のプロレス界の顔となった印象だ。写真:橋本宗洋

“上谷現象”の勢いは増すばかりだ。

 9月27日のスターダム後楽園ホール大会は、観客動員1638人、超満員札止めを記録した。しかも当日券なし、立見も含め前売りで完売という人気ぶりだ。
 
 メインイベントは上谷沙弥vs AZM。上谷のワールド・オブ・スターダム王座とAZMのSTRONG女子王座をかけてのダブルタイトルマッチだ。

 上谷は言うまでもなく、現在の女子プロレスを代表する選手。昨年夏のヒール転向、12月のタイトル奪取、4月の中野たむ戦(敗者引退マッチ)とインパクトを残し続けた。

 そこに拍車をかけたのが、2月のテレビ出演。フジテレビ系列『千鳥の鬼レンチャン』で女子300m走サバイバルにエントリーすると決勝進出、さらに注目度を高めた。

 番組ではプロレスにかける思い、今のプロレスを世間に広めたいという純粋な気持ちをストレートに打ち明けた上谷。涙もろいところなどヒールらしくなかったが、そのギャップが魅力になった。

 7月からは朝のTBS情報バラエティ『ラヴィット!』の金曜シーズンレギュラーに。そしてAZM戦の直前、9月21日には『鬼レンチャン』2度目の登場を果たす。大会前日の26日は『ラヴィット!』卒業回。ここでは上谷の番組内スタジオマッチ(羽南戦)が生中継された。

 女子プロレスの地上波生中継は実に23年ぶり。TBSでの生中継は51年ぶりだという。プロレスを世間一般に届けるという意味で、近年、上谷以上の活躍を見せた選手はいないのではないか。

 大きな盛り上がりの中、スターダムは9.27後楽園大会のYouTube無料生中継を決める。完売でチケットが買えなかった、あるいは“昨日のラヴィット! でプロレスに興味を持った”という層にもアピールできるわけだ。

 上谷とAZMは、高まりきった期待をも超える試合をしてみせた。AZMは夏のリーグ戦「5★STAR GP」の決勝トーナメントで上谷に勝利し準優勝。7月のボジラ戦も高い評価を得ている。上谷を王座から引きずり下ろすとしたらAZMではないか。そんなムードも確かにあった。

 体が小さいAZMだがエルボーを真っ向から打ち合い、リングの対角線を走ってコーナーから鉄柱を飛び越えての場外ダイブ。カナディアンデストロイヤーはコーナー上からも決めてみせた。大技だけでなくグラウンドでは腕ひしぎ十字固めで動きを止め、必殺の丸め込み「あずみ寿司」も。AZMが幅の広いファイトスタイルを全開にして試合のボルテージを上げていく。

 上谷は猛攻を受けまくり、耐え続けた。自分だけでなく相手の良さも受け止める、チャンピオンらしい闘いだ。そのことで試合のグレードも観客の熱狂度も高まった。フィニッシュは旋回式スタークラッシャー。以前はハイフライヤーとして飛び技のイメージが強かったが、今の上谷といえばこれだ。
 
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