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角田裕毅がP13→P17まで急落した“悪夢の1周半”、実際には何が起きていたのか? 本人は「人生で最悪のスタート」と悔しさあらわ【F1】

THE DIGEST編集部

2025.10.06

強力なレースペースを持ちながら、不運に見舞われノーポイントに終わった角田。(C)Getty Images

 F1レッドブルの角田裕毅は現地10月5日、第18戦シンガポールGPに臨み、13番手スタートで最終的に12位でチェッカーフラッグを受けた。レースを振り返った角田は、スタート直後に巻き込まれた不運への落胆を隠せなかった。

 角田のレースの大勢を決定づけた"悪夢の1周目"では何が起きていたのか。スタートの蹴り出しに成功した角田は12番手スタートのリアム・ローソン(レーシングブルズ)と並んでターン1に進入。そのままターン2をクリアしたものの、ターン3でコース外にはみ出していたニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)が角田の前方でコース復帰したため、ローソンとヒュルケンベルグに両側から締め出される形でコーナーを立ち上がった。

 一度ペースを崩した角田は、その後も各コーナーへの進入でブロックする間もなく後方車に並ばれてオーバーテイクを許す、という負の連鎖を断ち切れず。フランコ・コラピント(アルピーヌ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)にかわされ、16番手まで後退した。ボルトレトと軽い接触があった影響からか、2周目のターン7でエステバン・オコン(ハース)にも抜かれ、17番手まで順位を落としたのだ。

 この1周半をF1公式のインタビューで振り返った角田は、「おそらく人生で最悪のスタートだった」とコメント。「スタート自体は良かったんだけど、大きくポジションを失った。攻めるたびに他の車がどんどん前に出てきて、自分のスペースが全く無かった」と説明した。
 
 その後、早めにピットインしてクリーンエアーで周回を重ねる戦略が奏功し、12位までポジションを上げた。しかし純粋なレースペースがあったという事実こそ、角田の悔しさを膨らませているという。

「悔しいんだけど、今日のペースは本当に本当に良かったんだ。チームに加入して以来最高のペースで、ポイント獲得には十分だったはず。マシンに少しダメージがあったにもかかわらず、それでも競争力は維持できたから、(マシンの戦闘力自体は)とてもポジティブだった」(F1公式サイトより)

 また、そのレースペースをもって10番手のアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)に迫った場面では、後方から2位争いを繰り広げていたチームメイトのマックス・フェルスタッペンが接近。安全に、フェルスタッペンにロスが無いように抜かせるためにストレート区間で大きな減速をするようチームオーダーが飛んだ。

 この一幕については「チームにとって間違いなく正しい判断だった」と語った角田。結果的にフェルスタッペンがマクラーレンの両ドライバーの前でゴールできたため、ドライバーズランキングでも首位オスカー・ピアストリまで63ポイント、2位ランド・ノリスに対して41ポイントまで差を縮められた。

 シーズンもあと6戦と佳境を迎えているが、スプリントレースが3戦予定されているほか、直近3レースではフェルスタッペンがマクラーレン勢を上回るなど、大逆転への好材料もいくつか見えている。

 コンストラクターズランキングについても、2位メルセデスと35ポイント差の4位、3位フェラーリまでわずか8ポイント差となっている。両ランキングの行方は角田のセカンドドライバーとしての"仕事"にかかっているといっても過言ではない状況。予選で上位グリッドを獲得できれば、今回のような不運を避けられる可能性も高まる。角田自身も言う通り、今後は「1周のペースが鍵になる」だろう。

構成●THE DIGEST編集部

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