レッドブルは、F1第19戦のアメリカ・グランプリ決勝で、フォーメーションラップが始まった後に、チームスタッフがゲートウェルエリアに侵入するという禁止行為を犯したということで、5万ユーロ(約880万円)の罰金を科された。
これは、ポールポジションのマックス・フェルスタッペンとともにフロントローに並んだライバルのランド・ノリス(マクラーレン)がスターティンググリッド上で正しく車を並べるための目印としてピットウォールに貼られたテープを取り除こうとしたためだったことが英国公共放送「BBC」などで報じられている。
メディアによって「テープゲート」と名付けられたこの一件については、F1ではよくある、ライバルに対する精神的な揺さぶりや駆け引きの一環であるとされ、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』では、元F1ドライバーのカルン・チャンドックが「少しでも、ノリスの集中を乱すこと。彼らがやろうとしていたのは、まさにそれだ。ちょっとした駆け引きではあるが、正直、行儀が悪い」と指摘する。
また同メディアで実況解説を務めたデイビッド・クロフト氏は、「サッカーで言えば、ファウルを犯しておいて、その後にボールを遠くへ蹴り飛ばすようなものだ。『そんなことしなくていいだろ』という感じだ」と語って、こういった“狡賢い”行為に否定的な見解を示した。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』では、かつてジョーダンやジャガーといったF1チームでテクニカルディレクターを歴任したゲイリー・アンダーソン氏が、現場に身を置いた経験からこの件に言及し、「こうした“お遊び”や“小細工”は昔から行なわれており、チーム内ではたいてい、誰もがそのことを知っているものだ」と綴っている。
彼は、自身が目撃した様々な“小賢しい”行為を紹介しながら、「誰がどこまで、何をしているのか、本当のところを知るのは非常に難しい」、そして「誰もが知っていることでも、それを証明できるかどうかは別の話だ」と指摘し、この業界では「もっともらしい否認というものが、常に価値がある」と解説した。
また、「コース上で意図的にブロックする、ピットレーンを必要以上にゆっくり走る、ピットレーンで他ドライバーの前に強引に割り込む、無線で他ドライバーを批判してスチュワードに罰則を促す、マシンにトラブルがあっても、安全な場所まで走らず止まる――こうした行為は、明確な危険行為とまでは言えなくても、(ルールやスポーツマンシップの)一線を越えていることは確かだ」と主張する。
こうした、いわゆる「非紳士的行為」に対してどのような対応を取るべきか? 同氏は、「たとえ5万ユーロの罰金を科したところで、それでは何も変わらない。レッドブルのようなチームにとっては、なおさらだ。本当に効き目があるのは、ポイント剥奪だけだ。もしチーム全体の問題ならコンストラクターズポイントを、ドライバーの問題ならドライバーズポイントを奪う。これなら、全員が真剣になる」と提言した。
アメリカGPのスプリント予選では、レッドブルの角田裕毅がピットレーンでの大渋滞に引っかかり、時間内にラストアタックに入れずにSQ1敗退を喫したが、同氏は「ファストレーンでの停止は、チームの計画全てに支障を来す」として、この行為を禁ずるべきだと訴えており、その防止策として「最高速度制限」ならぬ「最低速度制限」の導入を薦めている。
ちなみに、冒頭に触れたノリスの件で、そもそもウォールにテープを貼るのは、コクピットの視界の狭さによってグリッドに正しく停止するのが簡単ではなく、ミスが頻発するためであり、こちらについても同氏は「ジャンプスタートを検出するためのセンサーは、すでに路面とマシンの双方に設置されているので、ならば車が正しい位置にある時には信号を送る仕組みを導入するのも不可能ではないはずだ」とも指摘した。
構成●THE DIGEST編集部
【画像&動画】角田裕毅が“オフ”を満喫!レッドブル移籍後のプライベートフォトの数々
【画像】モデル、女優ら大物がズラリ…パドックを彩るF1ドライバーの“美しき妻や恋人たち”に注目!
【画像】絶世の美貌を誇る米プロレーサー、リンジー・ブルワーの厳選フォトを一挙お届け!
これは、ポールポジションのマックス・フェルスタッペンとともにフロントローに並んだライバルのランド・ノリス(マクラーレン)がスターティンググリッド上で正しく車を並べるための目印としてピットウォールに貼られたテープを取り除こうとしたためだったことが英国公共放送「BBC」などで報じられている。
メディアによって「テープゲート」と名付けられたこの一件については、F1ではよくある、ライバルに対する精神的な揺さぶりや駆け引きの一環であるとされ、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』では、元F1ドライバーのカルン・チャンドックが「少しでも、ノリスの集中を乱すこと。彼らがやろうとしていたのは、まさにそれだ。ちょっとした駆け引きではあるが、正直、行儀が悪い」と指摘する。
また同メディアで実況解説を務めたデイビッド・クロフト氏は、「サッカーで言えば、ファウルを犯しておいて、その後にボールを遠くへ蹴り飛ばすようなものだ。『そんなことしなくていいだろ』という感じだ」と語って、こういった“狡賢い”行為に否定的な見解を示した。
英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』では、かつてジョーダンやジャガーといったF1チームでテクニカルディレクターを歴任したゲイリー・アンダーソン氏が、現場に身を置いた経験からこの件に言及し、「こうした“お遊び”や“小細工”は昔から行なわれており、チーム内ではたいてい、誰もがそのことを知っているものだ」と綴っている。
彼は、自身が目撃した様々な“小賢しい”行為を紹介しながら、「誰がどこまで、何をしているのか、本当のところを知るのは非常に難しい」、そして「誰もが知っていることでも、それを証明できるかどうかは別の話だ」と指摘し、この業界では「もっともらしい否認というものが、常に価値がある」と解説した。
また、「コース上で意図的にブロックする、ピットレーンを必要以上にゆっくり走る、ピットレーンで他ドライバーの前に強引に割り込む、無線で他ドライバーを批判してスチュワードに罰則を促す、マシンにトラブルがあっても、安全な場所まで走らず止まる――こうした行為は、明確な危険行為とまでは言えなくても、(ルールやスポーツマンシップの)一線を越えていることは確かだ」と主張する。
こうした、いわゆる「非紳士的行為」に対してどのような対応を取るべきか? 同氏は、「たとえ5万ユーロの罰金を科したところで、それでは何も変わらない。レッドブルのようなチームにとっては、なおさらだ。本当に効き目があるのは、ポイント剥奪だけだ。もしチーム全体の問題ならコンストラクターズポイントを、ドライバーの問題ならドライバーズポイントを奪う。これなら、全員が真剣になる」と提言した。
アメリカGPのスプリント予選では、レッドブルの角田裕毅がピットレーンでの大渋滞に引っかかり、時間内にラストアタックに入れずにSQ1敗退を喫したが、同氏は「ファストレーンでの停止は、チームの計画全てに支障を来す」として、この行為を禁ずるべきだと訴えており、その防止策として「最高速度制限」ならぬ「最低速度制限」の導入を薦めている。
ちなみに、冒頭に触れたノリスの件で、そもそもウォールにテープを貼るのは、コクピットの視界の狭さによってグリッドに正しく停止するのが簡単ではなく、ミスが頻発するためであり、こちらについても同氏は「ジャンプスタートを検出するためのセンサーは、すでに路面とマシンの双方に設置されているので、ならば車が正しい位置にある時には信号を送る仕組みを導入するのも不可能ではないはずだ」とも指摘した。
構成●THE DIGEST編集部
【画像&動画】角田裕毅が“オフ”を満喫!レッドブル移籍後のプライベートフォトの数々
【画像】モデル、女優ら大物がズラリ…パドックを彩るF1ドライバーの“美しき妻や恋人たち”に注目!
【画像】絶世の美貌を誇る米プロレーサー、リンジー・ブルワーの厳選フォトを一挙お届け!
関連記事
- 「レッドブルのマシンは今や最速」フェルスタッペンの猛追でF1チャンピオン争いは三つ巴へ! 英紙は歴史的な逆転劇と重ねてマクラーレンの危機を訴える「2007年を彷彿とさせる」
- 【画像】モデル、女優ら大物がズラリ…パドックを彩るF1ドライバーの“美しき妻や恋人たち”に注目!
- 【画像】スーパーカーがずらり! F1王者ハミルトンの超豪華カーコレクションを一挙に紹介!
- 「ユウキに賭けている」角田に“逆転残留”の可能性?重鎮が注目発言「彼の安定感は選手権で非常に重要」 ドライバー決定急がない姿勢も「優先事項ではない」
- 「最も注目を集めたのは速さではなく...」角田裕毅の“激動の週末”に各国メディア賛否「中団勢の全員を負かした」「RB21の性能を考えれば...」




