フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦NHK杯は11月7日、大阪・東和薬品RACTABドームで開幕した。女子ショートは坂本花織が今季シーズンベストとなる77.05点を挙げ首位発進となった。試合直後の会見では異例な光景が広がっていた。
ショートプログラムの激闘後、上位3人が出席する記者会見。通常なら3名が揃って記者からの質問に答える形式だが、3位だった韓国のユ・ヨンは不在。空席のままだった。すると、大会広報から「ユ・ヨン選手ですが、ホテルに帰ってしまったため、今こちらに慌てて向かっています」と、まさかのアナウンスがあった。
この日、全体で2番手滑走だったユ・ヨンは質の高いノーミス演技を披露。67.66点を記録して暫定トップに立った。後半組の得点が伸び悩んだことも追い風に、ユ・ヨンの得点はそのまま終盤まで上位をキープ。結局3位でフリーへ折り返すことになった。会見出席を知らず、本人は慌ててホテルからUターンする事態になったのだ。
時刻は午後9時過ぎ。時間も押していたため、ユ・ヨン不在のまま首位の坂本と2位のソフィア・サモデルキナ(カザフスタン)のツーショットでフォトショットが始まり、先に会見がスタート。約30分後ぐらいにユ・ヨンが遅れて到着すると、坂本は一目散に彼女と熱いハグ。改めてショートトップ3人で記念撮影に収まった。
異例の会見後、ユ・ヨンはTHE DIGESTを含め複数の国内外メディアから質問を受けた。21歳のスケーターはまさかの3位という結果に驚きを隠せず、「記者会見に呼ばれるなんて、まったく予想していませんでした」と率直に告白。「ホテルで休んでいたのですが、チームマネージャーから『会場に早く来て!』とせかされました。でもバスが遅れていたので、地下鉄に乗って急いで走ってきました。もう本当に疲れています。明日に向けてトレーニングもしていたので」と苦笑いしながら、激動の1日をこう振り返った。
「実はシャワーを浴びて、もう寝る準備をしていたんです。でもマネージャーから『会場に来なければならない』と言われて...“一体何が起きてるの?”って感じでした。いい驚きで良かったです。3位になれたなんて信じられないけど、少なくともここに来れてとても嬉しいです。ショートプログラムはとても良かったので、明日も今日のように素晴らしい滑りをして、この大会を楽しみたいと思います」
フリーのプログラムは映画『タイタニック』を演じる。「私のお気に入りの音楽です。プログラムのストーリーは主演女優ローズのキャラクターになります。彼女は最初は弱々しいですが、ジャックという青年に出会ってから強くなっていきます。私自身も過去数シーズンは辛い時期を経験しました。でも今は強くなり、また良いスケーターになろうと努力しています。そういう意味では彼女と同じなんです」とプログラムの魅力を熱く語る。
予想もしない展開ながらメダルを射程圏内に捉えたユ・ヨン。2022年北京五輪では5位入賞を果たした韓国の実力派がNHK杯4年ぶりの表彰台を狙う。
▼NHK杯女子ショート結果
1位 坂本花織 77.05点
2位 ソフィア・サモデルキナ(カザフスタン) 67.75点
3位 ユ・ヨン(韓国) 67.66点
―――――――――――――――
9位 青木祐奈 56.72点
10位 樋口新葉 53.15点
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【動画】「あわわわ…」坂本花織が日本女子フィギュア界の超大物と遭遇→記者会見に遅れて到着したユ・ヨンとハグ
【画像】坂本花織の背中をバチン! 気合を入れて叩く中野コーチ
ショートプログラムの激闘後、上位3人が出席する記者会見。通常なら3名が揃って記者からの質問に答える形式だが、3位だった韓国のユ・ヨンは不在。空席のままだった。すると、大会広報から「ユ・ヨン選手ですが、ホテルに帰ってしまったため、今こちらに慌てて向かっています」と、まさかのアナウンスがあった。
この日、全体で2番手滑走だったユ・ヨンは質の高いノーミス演技を披露。67.66点を記録して暫定トップに立った。後半組の得点が伸び悩んだことも追い風に、ユ・ヨンの得点はそのまま終盤まで上位をキープ。結局3位でフリーへ折り返すことになった。会見出席を知らず、本人は慌ててホテルからUターンする事態になったのだ。
時刻は午後9時過ぎ。時間も押していたため、ユ・ヨン不在のまま首位の坂本と2位のソフィア・サモデルキナ(カザフスタン)のツーショットでフォトショットが始まり、先に会見がスタート。約30分後ぐらいにユ・ヨンが遅れて到着すると、坂本は一目散に彼女と熱いハグ。改めてショートトップ3人で記念撮影に収まった。
異例の会見後、ユ・ヨンはTHE DIGESTを含め複数の国内外メディアから質問を受けた。21歳のスケーターはまさかの3位という結果に驚きを隠せず、「記者会見に呼ばれるなんて、まったく予想していませんでした」と率直に告白。「ホテルで休んでいたのですが、チームマネージャーから『会場に早く来て!』とせかされました。でもバスが遅れていたので、地下鉄に乗って急いで走ってきました。もう本当に疲れています。明日に向けてトレーニングもしていたので」と苦笑いしながら、激動の1日をこう振り返った。
「実はシャワーを浴びて、もう寝る準備をしていたんです。でもマネージャーから『会場に来なければならない』と言われて...“一体何が起きてるの?”って感じでした。いい驚きで良かったです。3位になれたなんて信じられないけど、少なくともここに来れてとても嬉しいです。ショートプログラムはとても良かったので、明日も今日のように素晴らしい滑りをして、この大会を楽しみたいと思います」
フリーのプログラムは映画『タイタニック』を演じる。「私のお気に入りの音楽です。プログラムのストーリーは主演女優ローズのキャラクターになります。彼女は最初は弱々しいですが、ジャックという青年に出会ってから強くなっていきます。私自身も過去数シーズンは辛い時期を経験しました。でも今は強くなり、また良いスケーターになろうと努力しています。そういう意味では彼女と同じなんです」とプログラムの魅力を熱く語る。
予想もしない展開ながらメダルを射程圏内に捉えたユ・ヨン。2022年北京五輪では5位入賞を果たした韓国の実力派がNHK杯4年ぶりの表彰台を狙う。
▼NHK杯女子ショート結果
1位 坂本花織 77.05点
2位 ソフィア・サモデルキナ(カザフスタン) 67.75点
3位 ユ・ヨン(韓国) 67.66点
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9位 青木祐奈 56.72点
10位 樋口新葉 53.15点
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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