F１第23戦のカタール・グランプリが開幕。11月28日にはスプリント予選が行なわれ、レッドブルの角田裕毅は５番グリッドという好位置を手にしている。

　チーム全体で悪い部分が全て出る形で失意の週末を迎えたラスベガスGPから１週間後、巻き返しを狙う角田はフリー走行（28周回）で全体13番手となる１分21秒796のベストタイムを計測した後、今季最後となるスプリントの予選ではSQ１を９番手（１分21秒458）、SQ２を５番手（１分21秒152）で余裕をもってクリアした後、第２戦中国GP以来となる最終ラウンドでも好調を維持し、チームメイトのマックス・フェルスタッペン（６番手）を0.009秒上回る１分20秒519で自己ベストの結果を残した。
  　初日を終えた後、彼は「この週末はここまでクリーンであり、かなりスムーズに進んでいます。プラクティスでは大きな問題もなく、それがスプリント予選に向けて自信に繋がりました。今のところ、何も起きていないのは良いことです」と満足感を示すとともに、今後のセッションに向けても以下のように意気込みを語っている（F１専門サイト『F1.com』より）。

「まだ残りのセッションが３つあるし、それら全てを上手くまとめ上げる必要があります。ここからは、チームにとっても、マックスにとっても特に重要なものとなるので、ガレージの両側はとても集中しており、全員が最大限の力を発揮できています。車には満足していますが、明日さらに少しでもタイムを削るためには、まだやるべきことがあります。とはいえ、（今後に向けて）とてもワクワクしています」

　各国専門メディアの報道では、ブラジルのF１専門サイト『GRANDE PREMIO』が「2026年シーズンのF１シートがまだ確保されていない中、角田はレッドブルに対して良いアピールとなる結果を残した。日本人ドライバーが予選でフェルスタッペンを上回ったのは、これが初めてだ。フリー走行はやや期待外れの結果に終わったものの、スプリント予選では好パフォーマンスを発揮。ポールポジションのオスカー・ピアストリ（マクラーレン）からは0.464秒遅れながらも、トップ５の最後の枠を掴んだ」と伝えた。

　一方、『F1 MANIA』もドライバーチャンピオンシップでの逆転優勝を狙う現王者が初めてチームメイトに敗れたことに言及し、「レッドブルはスプリント予選を終えて、複雑な心境を抱くこととなった。フェルスタッペンはあまり良くなかったセッションを嘆く一方で、角田は好結果を喜んだからだ」と綴っている。