ラグビー

大金星を挙げた「4年前」を越えていけ!悲願達成に挑むジェイミー・ジャパンの現実と可能性

齋藤龍太郎

2019.09.03

自国開催のW杯は9月20日に幕を開ける。日本代表は歴史的な大金星を挙げた2015年大会の成績を越えられるだろうか。(C)Getty Images

 34-32――。まだ記憶に新しいスコアだろう。

 2015年のラグビーワールドカップ・イングランド大会。そのプール戦の初戦で、日本代表は優勝候補の南アフリカを相手に歴史的な大金星を挙げた。続くスコットランド戦には敗れたものの、サモア、アメリカにも勝利。結果的にボーナスポイントの差でベスト8進出を逃したとはいえ、そのセンセーショナルな快進撃は、世界中に衝撃を与えた。

 日本国内ではにわかにラグビーブームが沸き起こるなど、4年後の自国開催となるラグビーワールドカップに向けて、大きな弾みをつける大会となったと言える。
 翌16年、日本ラグビー史上最高の結果をもたらした世界的名将、エディー・ジョーンズに代わり、15年シーズンのスーパーラグビーでハイランダーズを初優勝に導いたニュージーランド人のジェイミー・ジョセフが新たなヘッドコーチに就任。同年の秋から、新生日本代表の強化が急ピッチで進められていった。

 その結果は16年11月、敵地カーディフで行なわれたウェールズ戦でさっそく現われる。最終スコアは30-33。惜しくも勝利はならなかったが、当時世界ランキング6位(現在は2位)の強豪国に対し、あわやという大接戦を演じて見せたのだ。

 1年後の17年秋には、フランスと敵地で引き分け(スコアは23-23)、さらに翌18年秋にはラグビーの聖地トゥイッケナム・スタジアムで、イングランドに冷や汗をかかせている。最終的には15-35で敗れたものの、前半はセンター中村亮土とキャプテンでフランカーのリーチ・マイケルのトライもあって、15-10とリードして折り返し、その後も後半途中まではほぼ互角に戦った。