ボクシング世界３階級制覇王者の中谷潤人（M・T）の新階級での挑戦が始まる。

　12月27日、サウジアラビア・リヤドでの大型興行「THE RING V：ナイト・オブ・ザ・サムライ」で、中谷はセバスチャン・エルナンデス（メキシコ）とのスーパーバンタム級初戦に臨む。この一戦をクリアした先には、“モンスター”井上尚弥（大橋）とのビッグマッチが予定されており、今回のサウジアラビアでの試合はまさに負けられない戦いだ。

　中谷にとって未知の領域となるスーパーバンタム級への第一歩が、世紀のビッグファイトを懸けた一戦となる。すでに世界各国メディアの反応をみても、来年５月に内定している井上戦へ関心が向けられている状況と言えるだろう。

　スペインのボクシングサイト『Solo Boxeo』が12月22日に配信した中谷の特集記事で、目前となったサウジでのエルナンデス戦をフォーカスするとともに、来年に控える“日本人決戦”にも言及した。

　同メディアは、「ジュント・ナカタニは理解している」とし、27日のリングが井上戦につながると強調。「ナカタニは米国を拠点とするメキシコ人ファイターとの一戦に全神経を集中させている。もし、つまずけば、ナオヤ・イノウエとの対戦が遠のく可能性があるからだ」との見解を示した。

  　さらに、階級転向初戦というシチュエーションを迎えている27歳に対し、「キャリアの中で、極めて重要な局面に立っている。バンタム級を圧倒的な強さで制した後、さらなる高みを目指し、同胞・イノウエが支配するスーパーバンタム級への挑戦を決断した」と中谷の現状を記載した。

　中谷と井上の直接対決については、「2026年に実現する可能性は、ボクシング界屈指のビッグマッチとして徐々に形を帯び始めている」と見込んでおり、「その舞台を現実のものにするためには、スーパーバンタム級で戦えることを証明する必要がある。エルナンデス戦は、その過程における重要な一戦だ」と位置付けた。

　これまで中谷は、井上にも引けを取らない圧巻の強さを披露し、輝かしい戦績を残してきた。今年ラストの試合でも同様のファイトが見られるのか。世界中から視線が注がれるなか、新たなステージでの最初の大一番に挑む。

構成●THE DIGEST編集部

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