プロボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一王者・井上尚弥が現地12月27日にサウジアラビア・リヤドで、WBC同級２位アラン・ピカソ（メキシコ）との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ち。中東の地で無敵のモンスターは無傷の32連勝に伸ばし、歴代単独トップの世界戦27連勝を飾った。

　井上は序盤、軽快な足さばきから素早い右ジャブを放ちピカソにプレッシャーをかける。２、３ラウンドも井上が主導権を握りながら手数を出していき、ピカソの堅いガードを少しずつ崩していく。

　４ラウンド目からピカソが強気に攻め始めるが井上は冷静に対応。６ラウンドから今度は井上がワンツーを打ちグラつかせると、コーナーに追い詰めて重いパンチをピカソの顔面やボディに当ててダメージを蓄積させる。

　井上は細かいフェイントをかけつつ、距離をつめながらパンチを当てる。９ラウンドは右ストレート、左ボディを効果的に打ち込む。残り２ラウンド、会場の「ナオヤ」コールを受けた井上は冷静に手数を出していくが、タフさを見せるピカソはなかなか倒れない。最終12ラウンドは互いに手を出していきボディ、カウンターを放ったがKOには至らずゴングが鳴り響いた。

　自身初の２試合連続判定勝ち（119-109、120-108、117-111)になったが、内容的には圧倒。スーパーバンタム級６度目の防衛を果たし、これでプロ戦績は井上が32勝（27KO）、ピカソが32勝（17KO）１分１敗となった。

　試合直後の勝利インタビューで井上は「今日は良くなかった」と反省の弁を述べた。ただ、日本人ファンが心待ちにする世界３階級制覇王者・中谷潤人との対戦には「日本のファンの皆さん、期待はしていてください」と力強く宣言した。
  　無敗のメキシコ人ファイターから勝利を挙げ、これで元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス、元５階級制覇王者フロイド・メイウェザー（ともに米国）を抜き、歴代単独トップに浮上。2025年は１月にキム・イェジュン（韓国）を４回KO勝ち、５月にラモン・カルデナス（米国）を８回TKO勝ち、９月にムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）を判定勝ちと３試合をこなし、12年ぶりとなる年間４試合を貫録勝利で締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部

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