ゴルフ

女子ゴルフを盛り上げる、渋野日向子らの「黄金世代」、古江彩佳らの「プラチナ世代」とは?

山西英希

2020.02.25

渋野、原、新垣(左から)ら「黄金世代」と呼ばれる選手たち。女子ゴルフ界を牽引する存在だ。(C)Getty Images

 3月5日から国内女子ツアーが開幕するが、やはり注目を集めるのは、渋野日向子を筆頭とした『黄金世代』だろう。98年度生まれの選手をそう呼ぶが、まさに光り輝く結果を残している。

 まだプロとして2年ほどしか経っていないにもかかわらず、国内ツアーで優勝経験を持つ選手が9人。そのうち渋野と畑岡奈紗は米ツアーでも優勝しているため、日米合わせると23勝を挙げている。ただ、彼女たちが黄金世代と呼ばれるのは、単に優勝しているからではない。安定して上位に顔を出しているからだ。
 
 昨年、賞金ランキング2位の渋野は国内ツアーで4勝を挙げているが、それ以外にトップテンに入った試合は11回あった。賞金ランキング6位の河本結、同8位の小祝さくらにしてもツアー1勝ながら、トップテンには10回以上入っている。また、黄金世代で今季のシード権を獲得しているのは11人いるが、そのうち6人がトッププロといわれる15位以内に入っていることでも、レベルの高さがわかるだろう。
 
 黄金世代で最初に台頭したのは、14年のKKT杯バンテリンレディスオープンで優勝した勝みなみである。
 
 ツアー最年少優勝記録を更新する15歳での勝利は大いに注目を浴びた。さらに、16年には17歳だった畑岡が日本女子オープンで優勝する。アマチュアが同大会を制したのは初めであり、公式戦での最年少優勝記録を塗り替えた。畑岡は翌17年の日本女子オープンも制し、2連覇を達成。その後は米女子ツアーでも3勝を挙げ、この世代を牽引する立場となった。そして昨年、渋野がAIG全英女子オープンで優勝し、日本人としては42年ぶりとなるメジャー優勝を飾る。今や黄金世代の旗頭的な存在だ。

 彼女たちの強さの秘密はどこにあるのか。1つは同世代のゴルファー人口が多かったことにある。宮里藍の活躍に触発され、小学生のゴルフ人口が増えたが、同世代との勝負を勝ち抜いて生き残っただけに、技術的なレベルが高い。しかもメンタル面も強く、ほぼ全員が負けず嫌いの塊だ。普段は温厚でも、クラブを握った途端に勝負師の顔になる。ツアープロなら当然かもしれないが、他の世代と比べても明らかにその傾向が強い。
 
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