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「今年はもっとうまくなるよ」F1界の絶対王者、ハミルトンが奏でるピアノに心打たれるファン続出。 世界的ピアニストも感銘の腕前

甘利隆

2020.02.27

F1の絶対王者ハミルトンがピアノの腕前をインスタグラムで披露した。(C)Getty Images

 2月26日からスペイン・バルセロナで始まったF1開幕前最後となるプレシーズンテストに臨むルイス・ハミルトンが、SNSでピアノを演奏する姿を披露した。
楽しげにプレーする姿を横から優しく見守りながら時折ピアノで調子を合わせるのは、中国出身の世界的ピアニスト、ランラン氏。氏は"平和のためのメッセンジャー"としてユニセフ親善大使も務め、日本では映画『のだめカンタービレ 最終楽章』で上野樹里が演じる主人公、野田恵のピアノ演奏を全て吹き替えたことでも知られている。

 テストの直前にパリで合流した2人はこの時間を有意義に過ごした様子で、ハミルトンは「こんなに謙虚なランラン氏と過ごせて、なんて喜ばしい機会なんだ! 今年はもっとピアノを上手くなるよ!!」と興奮気味にコメント。ランラン氏も「ルイスはピアノが大好きで、その演奏スタイルにとても感銘を受けたよ! 彼はレーストラックで王者だけど、ピアノの才能もある。もっとピアノのスキルを向上させるのにどう支援できるか考えなきゃ」と投稿した。
 
 この日プレーしたのは、ハミルトンの母国イギリスの歌手アデルの『Someone Like You』で、この曲は2017年オフに放送されたイタリアのTV番組で生演奏を披露した他、2016年にも同じくイギリス出身で歌手や女優として活躍するリタ・オラとアメリカ・マイアミでセッションしたお気に入りの1曲。'70年代から'80年代にかけて活躍したファンク・バンド、コモドアーズの『Easy』やグラミー賞を11回受賞したアメリカ・ハワイ出身の歌手ブルーノ・マーズの『When I Was Your Man』も得意だという。

 この様子を見たファンからは「どんな事でもどんどん良くなろうと決意しているところが素敵!」「天はルイスに多くの才能を与えた」といった賛辞が寄せられ、中には視覚障がい者と思われるファンからの「私はきちんとあなたを見ることはできないけれど、耳にはすべてが聞こえ、あなたが美しくピアノを弾いているのが聞こえます」とのコメントもあった。

 レースを離れている時間にはアートに触れているのを好むF1界の絶対王者は、13歳の時に独学で弾き始めたギターで普段から作曲やレコーディングを楽しんでおり、そんな息抜きの瞬間が、6度の世界タイトルを獲得しても高いモチベーションを維持できている秘密なのかもしれない。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 
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【動画】ハミルトンがピアノを奏でる様子はこちらから!