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モータースポーツ

時速276kmの壮絶クラッシュから復活した19歳の美人ドライバーが、ローレウス賞授賞式で見せた笑顔に応援の声!

甘利隆

2020.02.19

時速276kmでフェンスに激突という大クラッシュから復活を遂げたドイツのフローシュ。(C)Getty Images

時速276kmでフェンスに激突という大クラッシュから復活を遂げたドイツのフローシュ。(C)Getty Images

“スポーツ界のアカデミー賞”との異名を持つ『ローレウス・ワールド・スポーツ・アワード 2020』の最優秀カムバック賞にドイツ出身の女性F3ドライバー、ソフィア・フローシュが選ばれた。

 現在19歳(2020年2月時点)のフローシュは、2018年11月、17歳で出場したマカオGPの決勝レース時に時速276kmで鉄製のキャッチフェンスを突き破る大クラッシュに見舞われ、脊椎骨折という重傷を負った。臀部から骨を取り、骨折した脊椎を修復するとともに骨破片を除去するという11時間近くに及んだ手術は成功し、幸い四肢の麻痺もなくレースへと復帰できたが、一時はドライバー生命を危ぶまれた。

 手術後、母国ドイツに帰国した彼女は、必死のリハビリに励み、ヨーロッパF3選手権の後継に当たる、フォーミュラ・リージョナル・チャンピオンシップへと参戦。2019年シーズンは149ポイントを獲得し、ランキング7位という成績を収め、さらに驚くべきことに忌まわしい記憶が残るマカオGPに再びチャレンジした(結果は8周目にマシントラブルによるリタイヤ)。

“F3世界一決定戦”と評される伝統のマカオGPには各国F3のトップドライバーたちが集結。世代No.1を競い、F1への登竜門にもなっている。伝説的なF1王者、アイルトン・セナやミハエル・シューマッハも若き日にこの公道レースを制している。
 
 2月17日、ドイツのベルリンで開催されたローレウス賞の式典でステージに立ったフローシュは、最優秀男子選手賞に輝いたF1チャンピオンのルイス・ハミルトンらを前に「夢が実現しました。このトロフィーを持てて大変光栄です。こんなに素晴らしいアスリートの皆さんの前に立てて…あなたたちは本当に私のアイドル。チームスタッフやドクター、病院の方々のおかげでレースの世界に戻ってくることができました。とってもとっても幸せです」と笑顔を交えながらスピーチし、会場は温かい雰囲気に包まれた。

 ローレウスの公式Twitterアカウントには「なんていうカムバック! なんていうファイター!!」というコメントをはじめ、「君はカーレース界で最高かつ最強の女の子だよ!」「あなたこそ年間最優秀女子選手よ!」「おめでとう!!! これからも頑張って!」といった賛辞や応援の声があふれている。

 なお、同アワードの年間最優秀カムバック賞にはタイガー・ウッズ(ゴルフ)やロジャー・フェデラー(テニス)、ヴァレンティーノ・ロッシ(MotoGP)など、各競技のレジェンドたちが名を連ねている。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 
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