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「失望以外の何物でもない」トランプ大統領の「失言」に対する米男子アイスホッケー代表の反応を自国記者が厳しく断罪【冬季五輪】

THE DIGEST編集部

2026.02.25

46年ぶりの悲願を達成したアイスホッケー米国代表。試合後の“反応”が問題視された。(C) Getty Images

46年ぶりの悲願を達成したアイスホッケー米国代表。試合後の“反応”が問題視された。(C) Getty Images

 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの男子アイスホッケー決勝は、アメリカがカナダを延長の末に下し、劇的な金メダルを獲得。1980年の「ミラクル・オン・アイス(アメリカが金メダル候補最右翼のソ連に勝利)」以来となる偉業に、国内では興奮が広がった一方、試合後に同国政府関係者が絡む“後味の悪い出来事”が相次ぎ、祝賀ムードは一転して政治的な論争に包まれている。
 
 ジャック・ヒューズの延長決勝弾と、42本のシュートのうち41本を止めたGKコナー・ヘレバイクの印象的な奮闘により、米国史上3度目の金メダル獲得という快挙は、同国民を歓喜に導いたが、注目を集めたのは選手たちのプレーだけでなく“ロッカールームの映像”だった。

 試合後のロッカールームには、FBI長官のカシュ・パテル氏が姿を見せ、祝勝の輪に加わった。SNS上で拡散された動画では、同氏がビールを吹きかけたり、胸を叩いて盛り上がったりする様子が映り、選手たちから金メダルを首に掛けられる場面もあったようだが、同日、ドナルド・トランプ大統領の私邸マール・ア・ラーゴ周辺で武装した男の侵入事案が起き、FBIが捜査の主導権を握ったとされる中での「はしゃぎっぷり」は、批判の火種となった。

 前司法長官メリック・ガーランド氏の報道担当だったホチトル・イノホサ氏は、Xに「FBI長官はフラット・ボーイ(バカ騒ぎをする大学の新入生)のように振る舞っているのか?」と投稿して、これを非難。これに対してパテル氏は、自身の訪伊は米選手団の安全確保に関する公式日程の一環で、ミラノの合同オペレーションセンター訪問などを含むと説明し、ロッカールーム入りについても「招かれて光栄だ」と語って正当化している。

 さらに火に油を注いだのが、トランプ大統領による祝福の電話だ。ロッカールームにスピーカーフォンで繋がり、選手たちを「信じられない。みんな信じられないほど素晴らしかった」と称賛した大統領は、米議会での一般教書演説への招待やホワイトハウスでの祝賀に言及し、「軍用機を出してもいい」「吹雪でも着陸の心配はいらない」とも語った。

 ここまでは良かったが、同じく金メダルを獲得した女子チームにも触れた際、「女子チームも呼ばないと。そうしないと、私はたぶん弾劾される」と冗談めかすと、ロッカールームでは笑い声が上がった。この大統領の発言は、各国メディアから「失言」と捉えられ、厳しい見解を示されることに。ちなみに“軽視”された女子チーム側は、「招待に感謝しているが、大会後に予定されていた学業や仕事上の都合で参加できない」と“大人”の対応を見せている。

 政治とスポーツの交錯は、SNS空間でも露骨に表面化。ホワイトハウスの公式Xアカウントは、過去にトランプ大統領による「51番目の州」発言に反発したカナダのジャスティン・トルドー元首相が投稿した「あなたたちは我々の国を奪えない。そして、我々のゲームも奪えない」という文言を引き合いに出し、米国の象徴であるワシがガチョウ(カナダ)を襲うイメージ画像を添えて“デジタル上の応酬”を展開した。

こうした一連の動きに対しては、米国内からも厳しい論調も出ており、日刊紙『USA TODAY』ではメアリー・クラーク記者が、男子代表の金メダル獲得自体は「夢の実現」と喜びつつも、その後の展開を「失望以外の何物でもない」と断じている。とりわけ、トランプ氏と選手たちが女子チームを招待する話題で笑い合ったとされる場面については、「冷水を頭から浴びせられたように感じたのは私だけではないだろう」と綴った。

 同記者は、今大会における女子選手の残した輝かしい成果を強調。フィギュアのアリサ・リウ、ボブスレーのエラナ・マイヤーズ・テイラー、アルペンのミカエラ・シフリンらが活躍し、全12個の金メダルのうち8個を女子選手が獲得するなど、多大な貢献を果たしたにもかかわらず、これまでホワイトハウスは「女子の勝利は沈黙しがち」であり、今回の男子アイスホッケーの勝利で一気に前面に出てきたことに違和感を示している。

「NHLはアメリカの主要5大プロスポーツリーグの中で、保守寄りの選手の割合が2番目に高いことを考えれば、今回の行為は驚くことではないのかもしれない」と指摘した同記者は、「男子選手たちがパテル長官やトランプ大統領とともに見せた、あの試合後の恥ずべき振る舞いによって、全てが空虚に感じられる。ほんの数日前に同じ栄光を勝ち取ったチームメートや仲間を貶めるような冗談に笑う……それは極めて失望すべき行為だ。素晴らしい大会だった五輪の締め括りに、苦い後味を残した」と痛烈にこの件を批判した。

構成●THE DIGEST編集部

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