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アロンソ、新時代F1の“速度差”に警鐘を鳴らしていた「これはオーバーテイクではなく、緊急回避」 FIAはレース後に声明を発表【日本GP】

THE DIGEST編集部

2026.03.29

新世代のF1マシンの危険性を主張していたアロンソ。(C)Getty Images

 F1日本GP決勝が3月29日に鈴鹿サーキットで行なわれた。キミ・アントネッリ(メルセデス)が2戦連続のハットトリック達成でドライバーズランキング首位浮上。イタリアの神童が新時代のF1を支配する可能性を観る者に感じさせた。

 一方で今季から導入された新規定の"負の側面"も感じさせたのが今回のグランプリだ。22周目、オリバー・ベアマンはスプーンカーブに進入する直前、前方にいたフランコ・コラピント(アルピーヌ)が大きく減速したため、衝突を回避するためにコース外へマシンを移動。コントロールを失い、マシン横をバリアに激しく叩きつける形でクラッシュした。

 コラピントのマシンはカーブ進入前に2度のランプ点滅があったため、 MGU-K(運動エネルギー回生システム)によるパワー供給が無くなったと見られる。高速点滅は無かったため、スーパークリッピング(フルスロットル状態において、内燃エンジンの出力から自動でエネルギー回収する機能。最高速が急激に低下する可能性がある)ではないものの、コラピントが早めの減速による回生を強いられた可能性がある。

 実はこのシステムの危険性を指摘していたドライバーがいた。英専門メディア『Autosport』によると、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は今回のレース前に「最近のオーバーテイクは、もはや偶然の産物だ」とコメント。次のように語っていた。
 
「ふと気づくと、自分の車のバッテリー残量が前の車より高くなっていて、そうなったら衝突してしまうか、追い抜くかのどちらかだ。これはオーバーテイクではなく、緊急回避だ」

 現在のF1マシンは、電池残量によってストレートで50キロほど開く場合もある。オーバーテイクが増えよりエキサイティングなレース展開が期待できる一方で、予期せぬ減速は衝突の危険性を高めることにもつながる。

 ベテランの目にはその危険性がはっきりと見えていたのだろう。

 また、FIAはレース後に今回の事故に関する声明を発表。開幕以来、レギュレーションに関連するデータを収集中であり、「4月には新レギュレーションの運用状況を評価し、必要な修正点を判断するための会議が複数回予定されている」という。また、「現段階では、潜在的な変更内容に関する憶測は時期尚早。今後の最新情報については追って発表する」としている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】コラピント急減速→回避したベアマンがクラッシュした場面
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