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格闘技・プロレス

元ボクシング世界王者メイウェザー。白人警察官の暴行で死亡した黒人男性の葬儀費用を全額負担へ

岩崎隼斗

2020.06.03

メイウェザー氏は個人的に遺族と接触し、葬儀費用の支払いを申し出たという。(C)Getty Images

メイウェザー氏は個人的に遺族と接触し、葬儀費用の支払いを申し出たという。(C)Getty Images

 ボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー氏が、白人警察官の暴行によって命を落としたジョージ・フロイド氏の葬儀費用を負担するようだ。メイウェザー・プロモーションのCEO、レナード・エレルベ氏が米スポーツ専門局『ESPN』の取材で明かしている。

 現在、各地で人種差別への抗議デモが起きているアメリカ。しかし、ミネソタ州ミネアポリスで行われた抗議デモ中、拘束された黒人男性のフロイド氏が白人警官に首をヒザで圧迫されて窒息死する事件が起きた。

 この痛ましい出来事を受け、同じ黒人であるメイウェザー氏も立ち上がった。フロイド氏と直接の面識はないものの、知人を通して計4箇所で行われる葬儀費用を全額負担することを遺族に伝え、8万8500ドル(約960万円)の小切手を葬儀場に送ったという。

 エレルベ氏は「このことを言ったら彼は怒るだろうが、確かに彼は葬儀の代金を払った。フロイドはこの20年、このような慈善活動を続けてきた」と説明。実際、メイウェザー氏は過去に対戦した選手の葬儀代を払ったことがある。1998年にWBCスーパーフェザー級王座決定戦で対戦したヘナロ・エルナンデスが、そのひとりだ。エルナンデスは2011年に癌を患って45歳の若さでこの世を去ったのだが、その際も葬儀費用をメイウェザー氏が負担している。
 
 メイウェザー氏だけでなく、今回のフロイド氏の事件に端を発して多くの著名人が遺憾の意を表明。人種差別に関する抗議運動は過去に例のない広がりを見せてる。そもそも、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事である)」と称されるこの運動は、13年に黒人の少年が白人警官に銃殺されたことをきっかけにして生まれた。現在のアメリカは、機動隊と民間人の衝突が起きるなど、社会的不安が広がっている。

 2日には音楽業界が「ブラック・アウト・チューズデー」と銘打って営業停止を促した。また、アメリカのボクシングニュースサイトである「RingTV」でも同様にサイトの停止を行うなど、抗議運動は様々な業界に広がり、収まる気配がない。

文●岩崎隼斗(フリーライター)
 

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