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モータースポーツ

「有色人種の僕は孤独だ」ハミルトンの問題提起にF1ドライバーたちが反応

甘利隆

2020.06.03

6度のF1チャンピオンであるハミルトンの問題提起によって、多くのドライバーたちが発信を始めた。(C)Getty Images

6度のF1チャンピオンであるハミルトンの問題提起によって、多くのドライバーたちが発信を始めた。(C)Getty Images

 アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に膝で首を押さえつけられ、死亡した事件に端を発する抗議活動と暴動について、黒人初のF1ドライバー、ルイス・ハミルトンが「このような不当な状況の中でもF1界のスターたちは沈黙を守っている。白人が支配するこのスポーツからは何の反応もない。有色人種の僕は孤独だ」と自身のインスタグラム(@lewishamilton)のストーリーに投稿し、この問題提起に複数のF1ドライバーが反応した。

 フェラーリのシャルル・ルクレールが「正直なところ、ソーシャルメディアで自分の考えを発信することは場違いなんじゃないかと不安に感じていたけど、それは完全に間違っていた」とツイートする。

 それに呼応し、ハミルトンと同じイギリス出身で、2021年のメルセデスAMG入りが取り沙汰されるジョージ・ラッセルも「シャルルと同じで、自分の考えを公にするのは場違いだと感じていたけど、沈黙は何も解決しない。今、これまで以上に平和と平等が必要。皆が立ち上がって人種差別を社会から追い出そう。僕たちには不正を終わらせる責任がある」と訴えた。
 
 つい先日、2021年からのフェラーリ加入が発表されたマクラーレンのカルロス・サインツも「F1はさまざまな背景、宗教、肌の色を持つ世界中の人々が参加するグローバルスポーツ。すべての人種差別と不正は絶対に認められない。多様性は僕たちを前進させる」とメッセージを発した。

 同じくマクラーレン所属のランド・ノリスも“#BlackLivesMatter”のハッシュタグを付け、「僕には愛とサポートをくれるファンとフォロワーがいて、SNSを介して多くの人々を導き、刺激することができる。僕は正しいことを支持する」と世界中のモータースポーツファンに呼びかけた。

 他にも2021年のマクラーレン入りが明らかになったルノーのダニエル・リカルド、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン、アルファロメオのアントニオ・ジョヴィナッツィ、レーシング・ポイントのセルジオ・ペレス、ウィリアムズのニコラス・ラティフィなどが続々声を上げる。

 所属チームのメルセデスも「ルイス、私たちは君と共にある。寛容は我がチームの基本原則であり、すべての多様性が価値をもたらしてくれる」と支持を表明。公民権運動にも積極的に関わった伝説のボクサー、モハメド・アリを尊敬する6度のチャンピオンの言葉は、多くのF1関係者に影響を与えたようだ。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

【PHOTO】世界最高峰のカーレース、F1でしのぎを削るトップドライバーたち
 

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