専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

新垣比菜を育てた宮里藍への憧れと”同期”の相乗効果。アマチュア時代に見せた輝きを取り戻せば…【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.05

新垣の今シーズンの目標は、2年ぶりのツアー2勝目と賞金ランキングでの初のトップテン入りだ。(C)Getty Images

新垣の今シーズンの目標は、2年ぶりのツアー2勝目と賞金ランキングでの初のトップテン入りだ。(C)Getty Images

 黄金世代で最初に世間の注目を集めたのは、15歳でツアー初優勝を飾った勝みなみだが、ゴルフ界の注目を集めたのは新垣比菜だった。11年のダイキンオーキッドレディスに12歳と74日で出場。小6ながら、大会の予選会を突破しての本戦出場を決めたのだ。残念ながら予選通過はならず、ラウンド後は悔し涙を流していたが、その初々しいプレーぶりは多くのギャラリーから拍手を浴びていた。

 新垣が初めてクラブを握ったのは、8歳のときだ。当時活躍していた宮里藍に憧れたのがきっかけだった。これは新垣に限らず、黄金世代の選手に共通する部分でもあるが、同じ沖縄県出身ということもあり、その思い入れはかなり強かった。「いつかは自分も宮里のように世界を舞台に活躍したい」と夢を描きながら練習に明け暮れたことで、2年後には沖縄のジュニア大会で優勝を飾っている。
 
 その後も、新垣は順調に成長し、ダイキンオーキッドレディスでは中2から高3まで5年連続でベストアマに輝き、小6で出場したときのリベンジを果たしている。圧巻だったのは高2だった15年のシーズンだ。ステップアップツアーの開幕戦であるラシンク・ニンジニア/RKBレディースで2位以下に4打差をつけて優勝を飾る。いくら下部ツアーとはいえ、プロの試合でなかなか勝てるものではない。その実力を証明するかのように、夏場に開催されたサマンサタバサレディース、センチュリー21レディス、大東建託・いい部屋ネットレディスの3連戦で、なんと9位タイ、6位タイ、7位タイと3週連続でトップテンに入って見せたのだ。

 アマチュアとしては史上初の快挙だったが、本人はさほど驚いた様子でもなかった。大東建託・いい部屋ネットレディスでは、最終日最終組でのラウンドだけに、さぞかしプレッシャーがかかったのかと思いきや、「トップと1打差になったときはもしかしたら勝てるかなと思いましたが、あと一歩届かなかったですね。意外と緊張せず、最終組の雰囲気を味わえて楽しかったです」と笑顔を見せたほどだ。ただ、同組で回った原江里菜やアン・ソンジュをオーバードライブするなど、改めてポテンシャルの高さを周囲に印象づけた試合ではあった。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号