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女子ゴルフ開幕戦を制すのは誰だ?識者が選ぶアース・モンダミンカップの「注目選手5選」

山西英希

2020.06.24

今季開幕戦のアース・モンダミンカップは、この5人を中心に優勝争いが繰り広げられそうだ。左から安田祐香、渋野日向子、鈴木愛、原英莉花、畑岡奈紗。写真:Getty Images/JLPGA提供

 国内女子ツアー今季第1戦となるアース・モンダミンカップが6月25日から始まる。144人と最大級の出場人数となるが、その中から活躍が見込まれる選手を予想したい。

 開催コースのカメリアヒルズカントリークラブは、距離が長くないうえにフェアウエーが比較的広く、グリーンのアンジュレーションもそれほどない。グリーンの硬さ、スピード、ラフの長さ次第ではあるが、今年もハイスコアでの優勝争いが予想される。勢いに乗った選手が優勝争いに絡む可能性は十分あるが、4日間大会という長丁場を考えれば、やはり総合力で優れている選手が上位にくるだろう。

 その意味で、まず優勝候補に挙げたいのが、昨年の賞金女王である鈴木愛だ。昨年の大会こそ26位タイに終わったが、18年単独2位、17年優勝、16年3位ととにかく相性がいい。攻撃的なゴルフスタイルに合うのだろうが、ここ一番でのパットの上手さが群を抜くだけに、今年もハイスコアを出してきそうだ。
 
 今大会初出場ながら、畑岡奈紗も当然のように優勝争いに絡んでくるだろう。今季は1月の米ツアーに2試合出場し、ともに2位に入り、賞金ランキング3位につけていた。世界ランキングも4位で、今大会出場選手の中では断トツの最上位者である。

 畑岡自身は「今週は70点ぐらいの出来です」と言うが、昨年よりもパーオン率とドライビングディスタンスの数字を上げているだけに、どこまでスコアを伸ばすのか興味深い。ショートゲームが好調ならば、堀奈津佳が13年に記録した大会最少優勝スコアの21アンダーを上回る数字を出すことも夢ではない。「短いホールでチャンスを作ってリズムを作りたいですね。あとは、フェアウエーが絞っているホールでもしっかりキープできるようにしたいです」と、ショット力が勝負の分かれ目を握ると考えている。

 ハイスコアでの戦いになれば、当然バーディをどれだけ稼ぐかがポイントになる。コースや天候などの条件が違うため参考程度にはなるが、昨年の平均バーディ数でただ一人4点台(4・0000)をマークして1位だったのが渋野日向子だ。

 言わずと知れた昨年のAIG全英女子オープンを制したメジャーチャンピオンだが、昨年の今大会でも単独4位に入っている。国内ツアーで初優勝を飾った昨年のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップも4日間であり、2勝目を挙げた資生堂アネッサレディスオープン、4勝目を挙げた大王製紙エリエールレディスオープンも4日間大会だった。本人には得意と言う意識はないらしいが、4日間のほうが自分のゴルフをプランニングしやすいのかもしれない。「昨年はこの試合で全英女子オープンの出場が決まり、思い出深い大会ですが、過去2年よりも状態がいいので上位を目指したいですね」と渋野自身も気合いを入れている。唯一心配なのは、池に入る確率が50パーセントという9番パー3だが、ここをクリアすれば大会初制覇も見えてくるのではないか。