ゴルフ

「クセも少しずつ減ってきた」と渋野日向子が成長を実感。キーワードは“順手グリップの解禁“と“抑え気味のショット“

山西英希

2020.10.02

ハーフで29という数字を出した渋野。大きな自信になったはずだ。(C)Getty Images

 LPGAツアー『ショップライトLPGAクラシック』初日、渋野日向子は68の3アンダーで回り、首位と5打差の22位タイでフィニッシュした。

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 畑岡奈紗が64の7アンダーをマークし、首位と1打差の3位タイという好スタートを切っただけに、渋野のスコアは平凡な数字に映るかもしれない。しかし、渋野にとっては収穫の多い18ホールだったのではないか。というのも、オープンウイークとなった前週に調整していたことが、実戦の中でいろいろと試せたからだ。

 その一つがパッティングスタイルを順手に戻したこと。3週前の『ANAインスピレーション』から構えたときに左手が下にくるクロスハンドグリップで握り始めたが、当初はストローク中に頭が動くクセや左肩が上がるクセを修正することが主な目的だった。しかし、これはあくまでも一時的なものであり、いつかは通常の順手に戻すつもりでいた。「この2試合で自分のクセも少しずつ減ってきたので、そろそろいいかなと思って戻しました」と、従来の順手グリップを解禁したのだ。
 
 試合で試すのは8月の『AIG女子オープン』以来3試合ぶりだが、感触は悪くなかったようだ。前半のハーフは4度の1パットを含む12パットで終えることができたし、後半は18パットと増えたものの、これはグリーンが荒れたことでボールの転がり自体が悪くなったことやラインの読み間違いが原因だったという。スタート前の練習では距離感に不安を感じていたが、この日のラウンドでそれも解消することができた。

 また、ショットでは抑え気味に打つことを練習していたが、それも実戦で使えるという手応えを感じられた。そのいい例が17番パー3でのティショットだ。ピンまで108ヤードだったが、普通に打てば127ヤードの距離が出る9番アイアンをあえて選択。アゲンストだったこともあり、抑え気味に打てば距離をコントロールできると判断したのだ。

 芝の上に直接ボールを置いて構えると、コンパクトなトップから振り下ろした打球はピンに向かって一直線に飛んで行く。ピンの20、30センチ上に落ちた後、バックスピンがかかってカップの横をかすめながらピン手前約1・5メートルに止まった。これまでグリーンにボールを落とした後、バックスピンがかかりすぎて長いバーディパットを残していた渋野。その対策としても大きめのクラブで抑え気味に打つことが十分役立つと証明できた。