ゴルフ

「お前、何を言ってるんだ」原英莉花に“気づき“をもたらしたジャンボの言葉。メジャー初制覇の舞台裏に師匠のアドバイスあり

山西英希

2020.10.04

国内メジャーを制した原。パットの好調がスコアにつながった。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『日本女子オープン』最終日、黄金世代の原英莉花が通算16アンダーで優勝。昨年のリゾートトラストレディス以来のツアー2勝目を飾ると同時に、初の公式戦タイトルを手にした。

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 この日の原は2位以下に4打差をつけてのスタートだったが、他の選手につけ入る隙を全く与えなかった。スタートの1番パー4で4メートルのバーディパットを決めて5打差をつけると、続く2番パー4では2位にいた小祝さくらがボギーを叩いたため6打差に。その後、再び4打差に詰め寄られたものの、最後までその差をキープしたまま逃げ切った。

 もちろん、2位の小祝も黙って原のプレーを見ていたわけではない。4打差で迎えた後半もピンをデッドに狙い続け、スコアを3つ伸ばしているのだ。しかし、それに負けないゴルフを原が見せ続けた。いい例が11番パー4で、小祝が先に第2打をピンそばにピタリとつけると、後から打った原も同じくピンそばにボールを落とした。この日のピンは左端に切られた難しい位置だったが、小祝のショットを見た瞬間、「逃げちゃいけない。勝負を賭けないと流れに乗れない」と思い、全神経をその1打に集中した。互いにバーディとなったが、小祝に流れを渡さなかったのは大きかった。
 
 身長173センチの長身から繰り出される圧倒的な飛距離を武器とするだけに、黄金世代の中でもポテンシャルの高さはトップクラスと言われていた。当然、今年は一層の飛躍が期待されたが、ここまで優勝争いには一度も絡んでいなかった。新型コロナの影響で試合数が減ったとはいえ、原自身も本意ではなかっただろう。今大会の前週に師匠であるジャンボ尾崎邸を訪ね、ショットの不調について相談すると、意外な答えが返ってきた。

「お前、何を言ってるんだ。(1ラウンドで)30パットを切れずに、何がショットだよ」と。

 確かに、今季はパーオンホールでの平均パット数が1・8347(61位)と奮わず、1ラウンド当たりの平均パット数も31(94位)だった。どんなにピンそばにつけても肝心のパットが入らなければスコアを伸ばすことはできない。