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ゴルフ

当人にしか理解できない”全英覇者”のプレッシャー。米ツアーを終えた渋野日向子に求められるものとは?

山西英希

2020.10.12

今回の米ツアーでの経験は、後のゴルフ人生に必ずプラスをもたらすはずだ。(C)Getty Images

今回の米ツアーでの経験は、後のゴルフ人生に必ずプラスをもたらすはずだ。(C)Getty Images

 今季メジャー第3戦、LPGAツアー『KPMG全米女子プロゴルフ選手権』最終日、「1打1打を大切に、悔いの残らないように戦った」渋野日向子は、3バーディ、3ボギーのイーブンパーで回り、通算11オーバーの58位タイで4日間を終えた。

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 前半は3バーディ、1ボギーとスコアを2つ縮めた渋野だが、完ぺきなゴルフを演じたわけではなかった。3番パー4では1・5メートルのバーディパットを外し、6番パー4ではフェアウェイから打ちながら2打目をグリーン手前のラフに打ち込んでボギーを叩いた。後半も11番パー4でフェアウェイからの2打目がグリーン手前のラフにつかまり、ボギーにつながった。4日間を通していえることだが、上位に食い込むためには1・5メートル以下のパッティングを沈める確率を上げなければいけないし、フェアウェイから確実にグリーンをとらえる正確さを高める必要があるだろう。
 
 もちろん、悪いショットばかりではない。10番パー4や15番パー4ではティショットがラフにつかまりながらも、第2打をバーディチャンスにつけたし、8番パー3ではグリーン奥から約20ヤードのアプローチを沈めてチップインバーディも奪った。続く9番パー5では7メートルのバーディパットも沈めている。それでも、優勝争いに加わるには、4日間を通して防げるミスを確実に防がなければならない。

 この日はテレビ中継の都合により、渋野は本来最終組となるべき組の一つ後ろでスタートしていた。その結果、キム・セヨンが優勝したシーンを目の当たりにすることになったが、18番パー4のセカンド地点から渋野はどのような想いでグリーン上を見ていたのだろうか。同じメジャーである昨年の『AIG全英女子オープン』では、その華やかな優勝シーンの真ん中にいたのは自分だった。その嬉しさや喜びを忘れられるわけがない。「ああいう景色をすごい見たいな、もっと強くなってこの場で戦いたいなって思いました」と語った渋野。しかし、今の自分を振り返ると、再びその景色を見るには乗り越えなければいけないハードルがいくつもあると認めざるを得なかった。
 

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