ゴルフ

自己採点は100点満点で「5点」。パットに苦しむ渋野日向子が合格点に達するのはいつの日か?

山西英希

2020.11.08

ショットは着実に改善されているだけに、パットのフィーリングがあってくればスコアは伸びそうだ。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『TOTOジャパンクラシック』最終日、渋野日向子は2バーディ、ノーボギーの70で回り、通算6アンダーの30位タイでフィニッシュ。国内では今季初めて順位による賞金116万1600円を手にし、賞金ランキング111位につけた。

 ノーボギーを喜ぶのか、2バーディしか取れなかったことを悔やむのか、今季なかなか調子が上がらない渋野の答えは後者だった。「めっちゃ悔しいです。後半全てパーオンしてバーディチャンスが何回あったの?という状況で一つも決められませんでした」と嘆いた。確かにこの日はグリーンを外したのがわずかに一度だけ。パーオン率も前日の88・9%から94・4%に上がった。前日のスタート前にわざわざ距離計測機を持ち出し、振り幅に応じたアイアンのキャリーをチェックしていたが、その効果がこの日も表れたといえる。
 
 ただ、唯一グリーンを外したホールが2番のパー5であったことは反省点だろう。本来ならバーディを奪いたいところでグリーンを外すと勢いがつかないからだ。

 また、いくらバーディチャンスについてもそれを沈めなければ意味がない。この日のパット数は33とこの3日間で最も悪く、それがラウンド中のイライラにもつながった。「ストロークに関しては大分よくなっていますが、読みが合ってないから入らなかったと思います」と自身のパッティングについて分析する。しかし、前日からスライスラインをカップの右に外したり、この日の最終18番パー4で4メートルのバーディパットを打ち切れなかったように、距離感が合っていないようにも感じる。初日からイントウインのストロークを意識してきた渋野だが、まだそこまでフォローできていないのだろう。

 それでも、打ち切れないことに対する打開策は見つけたようで、「ダフるぐらいの気持ちで低めのストロークをすることによって、厚く当たった感じの転がりが出ることが分かりました。今後はそこを意識していこうかと思います」と語っていた。要は、ヘッドのソールが地面を擦るぐらいギリギリの低さでヘッドを動かそうというわけだ。それが理論的に正解かどうかは別として、ボールの転がりがよくなり、渋野のフィーリングに合っているのなら、今後は苦手とするスライスラインに悩むことが少なくなるかもしれない。