ゴルフ

今季最高の66をマークした渋野日向子が「再認識」したショートゲームの大切さ。“手段を選ばないバーディ“が奪えるようになれば…

山西英希

2020.11.22

パッティングが冴えわたった渋野は、ショートゲームで7打伸ばした。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『大王製紙エリエールレディスオープン』最終日、渋野日向子が6バーディ、1ボギーで回り、ついに今季自己最高の66をマークした。トータルスコアも8アンダーまで伸ばし、やはり今季自己最高となる単独5位でフィニッシュ。2週前の『TOTOジャパンクラシック』を終えたときには100点満点中5点だった自己採点も「60点ぐらいですかね(笑)」と一気に上がってきた。

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 渋野にしてみれば、新しい境地を開くきっかけになったラウンドではないだろうか。6つのバーディを奪ったとはいえ、この日のショットに手応えを感じていたわけではなかった。「ドライバーショットは自分の予想とは全然違う方向に飛んでいったし、アイアンショットは右に飛ぶだけでなく、左へ引っかけることも多かったです」と振り返る。確かに、ピンそばにつけたのは5番パー4で第2打をピンそば30センチにつけた6番アイアンでのショットだけだった。そんな状態を救ったのは、前日から上昇傾向にあるアプローチとパッティングだ。
 
 前日は後半のハーフで11パットだったが、この日も前半はパターが冴え渡る。1番パー4で3メートルのバーディパットを沈めると、2、3番を寄せワンのパーで切り抜け、6番パー4では12メートル、9番パー5では15メートルのバーディパットを沈めて見せた。またしても11パットでハーフを終えたのだ。「パッティングは自分が思ったところに打ち出せる回数が増えていますし、ボールの転がりも今年一番よかったと思います」と、不安要素が消え、自信を取り戻しつつあることを強調した。

 インに入っても11番パー5で2メートル、17番パー5で3メートルのバーディパットを沈めた渋野。トータルでは28パットと前日よりは2打多いがそれでも今季2番目に少ないパット数だった。ショットの調子が悪かったとはいえ、パーオン率を見れば前日の61・11%から77・78%に上げ、この4日間では最もいい数字をマークした。特筆したいのは、3つあるパー5全てでバーディを奪ったことであり、今季はどの試合でも「パー5でしっかりバーディを奪いたい」と語っていたが、ようやくイメージどおりのゴルフができたともいえる。