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フィギュア

「まだ実感がなくて…」17歳の鍵山優真が“初出場V”達成!坂本花織、小松原&コレト組もGP初優勝【NHK杯】

辛仁夏

2020.11.29

男子シングルを制した鍵山。会見では「思い切りやることが出来ました」と笑顔を浮かべた。写真:THE DIGEST写真部

男子シングルを制した鍵山。会見では「思い切りやることが出来ました」と笑顔を浮かべた。写真:THE DIGEST写真部

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦、NHK杯最終日が28日、大阪の東和楽品RACTABドームで行われ、男女シングル、アイスダンスともに初優勝者が誕生した。

 男子を制したのは、前日のショートプログラム(SP)で首位発進していた鍵山優真だ。今季シニアデビューの次世代ホープが、ユース五輪金メダルや世界ジュニア選手権銀メダルの成績を残したジュニア時代から培った実力をいかんなく発揮して、見事シニアGPタイトルを初めて獲得した。SP同様にフリーも著名な振付師ローリー・ニコルさんにシーズン途中に振り付けてもらった映画「アバター」の曲に乗って、深緑のつなぎコスチュームを着用して、その世界観を表現。冒頭の4回転サルコー、続くトーループの4回転+3回転の連続ジャンプ、そしてもう1本の4回転トーループと前半に跳んだ3本の4回転はいずれも完ぺきなジャンプだった。GOE(出来栄え点)でも4.07点、2.85点、3.23点と高得点が並んだほどだ。
 
 プログラム後半になってもスピードは落ちず、教科書のような美しいスピンで魅了し、SPで失敗した苦手意識のあるトリプルアクセルも2本力強く跳んでみせる圧巻の演技だった。技術点で100点超えの105.71点を出したフリーは188.61点をマーク。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら自己ベストを上回る合計275.87点をたたき出した。

 優勝インタビューではにかみ笑顔の鍵山は「(高得点での初優勝に)まだ実感がなくて、あまり点数のことをきにしていなくて、演技にひたすら集中しようと意識していたので、今日はノーミスに近い演技ができて、とても良かったと思っています。昨日のSPは慎重になりすぎちゃったので、今日は最後まで転んでいいから思い切りやろうと思って滑りました。演技前にお父さんから「常にチャレンジャーだから」と言われたので、思い切りやることが出来ました」と16歳の少年らしく初々しく答えていた。

 次戦は12月の全日本選手権(長野)。今大会に出場しなかった五輪連覇の羽生結弦、全日本王者の宇野昌磨と対決することになる。そのことをメダリスト会見で問われた鍵山は「次の全日本ではSPもフリーもノーミスを揃えてトップを目指していけたらいいです。オリンピックに行くには全日本でトップにならないといけないので、全日本までもっともっと努力して頑張っていきたいです。(大きな壁である羽生と宇野と)まずは肩を並べるくらい、4回転の種類もこれから増やしていかないといけないですし、表現力もスケーティングももっともっと磨いていかないといけないので、課題はたくさんあるんですけど、そこを上手く練習して(全日本に出場予定の)羽生選手と宇野選手とも対等に戦えるように頑張りたいと思います」と意気込みを語っていた。
 

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