昨年の大晦日、井岡一翔と田中恒成がWBO世界スーパーフライ級王者決定戦を行い、王者・井岡が２度目の防衛を果たした。

　約１年ぶりの公式戦のリングにも関わらず、終始有利に試合を進めたチャンピオン。6歳下の無敗の挑戦者から３度のダウンを奪い、８回途中TKOで完勝した。

　試合後、井岡のチーフトレーナーであるイスマエル・サラス氏が、米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』に当日の試合プランを語っている。

「井岡のカウンターはとても良いので、我々のプランは田中に攻撃してもらうように誘うことだった。田中は向かってくる素晴らしいファイターだが、彼のガードが下がり、その事が我々に有利に働いた。カウンターのタイミングを待っていた」
  　また、サラス氏は井岡の今後のキャリアについても言及。「バンタム級、スーパーバンタム級のどちらでも、井岡のために素晴らしい試合がある。賢くトレーニングを続けていれば、このスポーツでトップに居続けることができる」とボクサーとしての活躍に太鼓判を押した。一方で、「しかし、実際のところ、リングの外で彼は教育ある人であり、身体にも気を使っている。望むなら、いつでも競技を離れることができるだろう」と、引退の可能性も示唆した。

　18年の一次引退を経て現役に復帰した井岡。復帰後も世界レベルのボクシングを見せているが、彼も今年で32歳。今後、どのような道を進むのかにも注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部