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1400mの前哨戦を制したレッドルゼルは、 フェブラリーステークスを勝てるのか?【根岸Sレビュー】

三好達彦

2021.02.02

今年の根岸Sは、1000mの通過ラップが58秒4というハイペースで進んだ。写真:産経新聞社

今年の根岸Sは、1000mの通過ラップが58秒4というハイペースで進んだ。写真:産経新聞社

 1月31日、東京競馬場で根岸ステークス(GⅢ、ダート・1400m)が行なわれ、単勝1番人気に推されたレッドルゼル(牡5歳/栗東・安田隆行厩舎)が優勝。2月22日のフェブラリーステークス(GⅠ、東京・ダート1600m)への優先出走権を獲得した。2着には最後方から追い込んだ10番人気のワンダーリーデル(牡8歳/栗東・安田翔伍厩舎)が突っ込み、2番人気のタイムフライヤー(牡6歳/栗東・松田国英厩舎)は3着に入った。

 1000mの通過ラップが58秒4というハイペースで進んだ今年の根岸ステークスは、差し・追い込み馬による激烈なゴール前の競り合いが繰り広げられた。

 中団から早めに仕掛けたタイムフライヤーが先頭に躍り出るが、目の前に進路が開いたレッドルゼルが追撃を開始すると、外からは古豪ワンダーリーデルも急襲。結果、レッドルゼルがワンダーリーデルをアタマ差で抑えて勝利を手にし、タイムフライヤーはさらに半馬身差の3着に粘り込んだ。

 これまで1400m以下のレースしか使われたことがないレッドルゼルにとって、根岸ステークスは距離延長に対する適応力を見極めるために「今後を決める一戦」(安田隆行調教師)と位置づけられていた。
 
 最後まで末脚がしっかりしていたことは評価できるが、2着との差はわずか。果たしてレース後、安田調教師は「不安はあるが、楽しみもある」と、微妙なニュアンスを含んだコメントを残している。迎えるフェブラリーステークスは当然ながら”チャレンジャーの立場”での参戦になる。本当の試金石は次戦と言えるかもしれない。

 8歳になったワンダーリーデルの豪快な追い込みは多くのファンを驚かせたが、元来が確実に末脚を伸ばすのが彼の持ち味。今回はハイペースが味方して、持ち前の武器がより強力に味方しての2着であろう。フェブラリーステークスには過去2回出走して、9着→4着と成績を上げている。流れには左右されるが、高齢を理由にマークを外すのは理に欠ける。今後も注意が必要な存在だ。

 一旦は勝利を掴みかけたタイムフライヤーだが、結果としてやや”早仕掛け”となった印象。距離が200m延びるのは好材料で、昨年は5着だったフェブラリーステークスで、今年はリベンジを狙えるだろう。

 その他では、59㎏の酷量を背負いながらタイムフライヤーとクビ差の4着に粘ったアルクトス(牡6歳/美浦・栗田徹厩舎)は、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)覇者の底力を感じさせるもので、あらためて見直しが必要。逆に、初のダート参戦で10着に大敗したステルヴィオ(牡6歳/美浦・木村哲也厩舎)は鞍上のコメントからして、やはり適性に難があったようだ。

文●三好達彦

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