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角田裕毅は「日本人らしくない」と蘭メディア。過去の日本人F1ドライバーとは異なるルーキーの長所とは

THE DIGEST編集部

2021.02.11

これまでの日本人F1ドライバーは「内弁慶」だったとする専門メディアは、角田の適応能力を高く評価した。(C)Getty Images

これまでの日本人F1ドライバーは「内弁慶」だったとする専門メディアは、角田の適応能力を高く評価した。(C)Getty Images

 日本人としては7年ぶりのF1ドライバーとなる角田裕毅は、猛烈なスピードでF1への階段を駆け上がってきた実力として、国内外で大きな注目と期待を集めている。

 2019年の欧州挑戦からわずか3年目でレースの最高峰に到達したことは、その優秀さと有望ぶりを示すものとして、世界中からの興味を喚起し、各国メディアも様々な形でこの20歳のルーキーを紹介・分析してきた。

 その中で、オランダの専門メディア『GPTODAY.net』は、日本人ドライバーや日本のレース界にスポットライトを当てながら、角田を「日本人らしくない日本人」として取り上げている。

 同記事では、これまでの日本人F1ドライバーは「内弁慶」であり、「外国に出ると速さが50%減ってしまう」という。例として、高木虎之介、片山右京は日本企業のバックアップを受けて参戦し、結果を残せなかった(片山は1994年に5位入賞を2度果たしているが……)ものの、前者はその後、米国でインディ500のルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、後者もルマンで伝説のレースを展開するなど、実力を示したと紹介している。

 中嶋一貴、小林可夢偉、佐藤琢磨も、トヨタ、ホンダのサポートを受け、後者2人は3位入賞を果たしたものの、結局はポディウムの頂点には立てず、やはりルマンやインディでは輝かしい実績を残している。
 
 日本のレース界については、各企業が勝利のために金を惜しまず、スーパーフォーミュラのマシン性能はF1のそれに劣らないほど優れており、ドライバーの生活も恵まれたもので、独自のレース文化が根付いているという。

 そういった国で生まれた角田を「日本人らしくない日本人」と呼ぶのは、その抜群の適応能力ゆえだ。2019年に欧州のレースや文化などの知識もなしに飛行機に飛び乗った日本の少年は、F3ですぐにレッドブルの総帥ヘルムート・マルコの注目を集め、F2ではさらに良さを見せて、ライバルを打ち負かした。

 自宅から何万マイルも離れた全く文化の異なる地でパフォーマンスを発揮してF1でチャンスを掴んだ角田。彼も日本のホンダのサポートは受けているものの、完全な欧州のチームであるレッドブルから厚い信頼を勝ち取っている状況は、これまでの日本人ドライバーとは異なるという。

 ここまでの挑戦で大きな問題もなくハードルをクリアしてきた角田の能力は確かなものであり、この「外国人のような日本人」は、より高い位置に到達できるはずだと、記事は締められている。

 これらの指摘が全て当たっているとは言えないかもしれないが、この2000年生まれのルーキーが、これまでのドライバーとは異なる雰囲気を醸し、そして可能性を有しているのは事実だろう。真の世界基準の日本人ドライバーが、世界の猛者相手にどのようなパフォーマンスを披露するか、世界中が注目している。

構成●THE DIGEST編集部

【写真】アルファタウリが公開!角田裕毅のミサノテストでのスナップショット!

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