今季F１デビューする角田裕毅。大きな希望と野心を抱いて最高峰の舞台に立つことになるが、所属チームのアルファタウリもまた、例年以上に士気を高めて新たな戦いへの準備を進めている。

　１月20日に65歳の誕生日を迎えたチームマネジャーのフランツ・トストは、ドイツの専門メディア『F1 INSIDER』のインタビューで、「我々はあらゆる点で良い立場にいる」と新シーズンをポジティブに展望し、目標を「トップ５に入ること」と語った。

　今季のドライバー・ラインアップについては、「ピエール・ガスリーは昨年の優勝（イタリア・グランプリ）で、すでに勝てるドライバーであることを証明した。そして、これから多くの賛辞を受けることになるであろう、エキサイティングな若き才能である角田がいる」とそれぞれを評し、「経験豊富なドライバーと、彼から学べる若い才能」という最適な組み合わせであると胸を張る。
  　しかし、「それが成功を確実にするわけではない」と楽観的な見方は否定。「2020年は勝利を飾り、ほぼ全てのレースで速さを見せたにもかかわらず、（コンストラクターズランキング）７位に終わった。これは、いかに３位以下の争いがタイトなものなのかを示している」と、今季も厳しい戦いになると予想している。

　また、姉妹チームであるレッドブルについても言及し、王者メルセデスに対抗することの難しさを強調。「メルセデスは2021年も、明らかに優勝候補だ。技術的な面では、依然として大きく他をリードしている」と語るも、「私の考えでは、我々のパートナーでもあるホンダがやってくれると思う。それは、ここまでの彼らの準備がうまくいっていることを示している」と、可能性も窺わせた。

　これまで、ミハエル・シューマッハー、セバスティアン・ヴェッテルら、多くの偉大なドライバーと仕事をしてきたトストは、成功の条件として「まず情熱を持つ必要がある。そして、規律を保ちながら、革新的であること。そして、常に『どうすれば他のドライバーより上手くできるか？』を自分に問いかけることだ。みんな、そうだった。これは、ミック（シューマッハーの息子で今季ハースからF１デビュー）にも見られる」と語っている。