格闘技・プロレス

岩谷麻優との“同期対決”に敗れた世志琥が語った「明るい女子プロレスの未来」【スターダム】

THE DIGEST編集部

2021.03.04

ラフファイトで岩谷との勝負に挑んだ世志琥。試合後には今後の考えを明らかにした。 写真:塚本凜平(The Digest写真部)

 3月3日、ブシロード傘下のスターダムは、ビッグマッチ『スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~』を東京都の日本武道館で開催。その第4試合では、岩谷麻優とスターダム1期生の同期で、現在はシードリングに所属している世志琥による女子プロレス界注目のシングルマッチが実現した。

 試合前から熱戦の様相を呈していた。

 握手を求めた相手に対し、中指を立てて挑発した世志琥は、立ち上がりからラフファイトでペースを掴む。かたや得意の立体殺法で対抗した岩谷は世志琥がスターダムを去って以来、スターダムのアイコンに成長した姿を見せつける。

 その後、シードリングのエースとして負けられない世志琥がトップロープから強烈なフットスタンプを披露するなど、大技を繰り出して相手を追い込むも、終盤に二段式のドラゴンスープレックスからムーンサルトプレスで岩谷がカウント3をもぎ取り、激闘は終幕した。

 試合後、岩谷は「世志琥……、シードリングの世志琥! 6年ぶりに試合してくれてありがとう。めちゃめちゃやっぱり強かった。何度も心折れそうだったけどスターダムで10年頑張ってきた。今までは別々の道をきたかもしれないけど、これから違う一緒の未来ってのを自分は味わってみたいと思いました。本日はこの日本武道館という舞台で世志琥ちゃんいや、世志琥選手と闘えてよかったです」とマイクで挨拶。
 
 勝者となった"同期"からの言葉に世志琥は、こう切り返した。

「ガンちゃん…ガンちゃんじゃい! 岩谷!マジで悔しいけど、お前がアイコンって言われるその理由が、この武道館で、シングルをやってわかった気がしました。でも同期、うちの同期はスターダムにお前しかいないけれど、うちが生まれたスターダムにお前しかいないんだけど、だからうちはこれからお前とのその未来をこの先もずっとつなげていきたい。今日は負けたけどこのまんまで終わると思うなよ。そこんとこ四露死苦!」

 バックステージで、岩谷は大の字になりながら「勝った!勝った!10年間やってきたことが無駄じゃなかった!やめなくてよかったその一言だけ」とだけ話すとクタクタになりながら控室へ。かたや世志琥は、岩谷への想いを口にした。

「ありがとうございました。スターダム10周年、この日本武道館で試合するその中で自分が岩谷とシングルできたのも本当に奇跡、奇跡だと思うし、岩谷のことを自分が辞めてから試合とか見てなかったし、あんなに強くなってたとは正直思ってもなくてびっくりしたんですけど、お互い別々の道を今まで6年くらい歩んできてやってきたこともお互い違うと思う。自分はその中でも自分なりにいろんなところでいろんな経験積んでやってきたていう自信があったので、今日も負けるつもりはなかった。

 正直負けて悔しいけど、勝ち負けじゃないていうことが自分の中にはあって、それが結構でかくて、岩谷が試合後にああいうマイク言ってくれて、自分も本当に(プロレスを)やめなくてよかったなって改めて思ったし、自分には最高の同期がまだまだ日本にそしてスターダムにいるんだなって改めて今日思い知らされました」