カリスマファイターの粋な振る舞いが話題を呼んでいる。

　２月28日、東京・後楽園ホールで開催された『REBELS ～The FINAL～』で行なわれたREBELS創始者の山口元気代表（山木ジム）と皇治（TEAM ONE）による2分2Rのスペシャルエキシビションマッチ、その終了後のことだった。

　RIZINでも活躍して格闘界のスターとなっている皇治が、会場全体を見渡す。その中からひとりの男の子をリング上に招き入れると、自身が使用していたRIZINのグローブをプレゼントしたのだ。

　山口代表によれば、皇治が呼び寄せた男の子のお父さんは、元会員で、奥さんを病で亡くしていたという。イベント終了翌日の会見で、同代表はこう語っている。
  「お父さんが元会員さんで、Facebookを見たら、奥さんが病気で亡くなられて僕の息子と同い年くらいのお子さんがいた。少しでも元気を出してもらえたらと思い、会場に誘いました。そうしたら皇治君が『グローブをプレゼントする』と言って、たくさんのお客さんが手を上げている中から迷わずその子を選んで『おいで』とリングに招き入れたんです。彼は人を元気づける力を持っているんですね。やっぱりスターなんだなと思いました」

　勇気づけられたであろう少年の父親は、自身のSNSで「プロの選手が戦う姿を間近で観て私も前に進んでいきたいと思った」と感謝の想いを綴っている。

「お母さんを亡くした息子を元気付けようとキックボクシングの試合に招待してくださいました。後楽園ホールに到着するとまさかのVIP席。山口会長ありがとうございます。プロの選手が戦う姿を間近で観て私も前に進んでいきたいと思った。時間はかかるかもしれないけど焦らずに一緒に頑張っていこう。山口会長と皇治選手のスペシャルエキシビション後に息子がまさかのリングイン。皇治選手ありがとうございました。息子にとって凄く刺激的で思い出に残る最高の1日になりました」

　10年の歴史を持つ「REBELS」の最終興行（3月よりKNOCK OUTに統合）として開催された今回のイベントを盛り上げ、さらに少年をも勇気づけた皇治。その振る舞いは、流石の一語に尽きる。

構成●THE DIGEST編集部