国際バレーボール連盟（FIVB）は、公式サイト『Volleyball World』のトップで『イシカワが抱く目標達成への飽くなき渇望』と銘打ち、男子日本代表のエースである石川祐希のインタビュー記事を紹介している。

　インタビュー冒頭で石川は、「人生で起きうる最も恐れていること？ 現状に満足する時が訪れることですね。それは、向上心を失う日が近づいていることを意味するからです」と回答。誰もが知る彼のストイックさを象徴する言葉だろう。

　石川は中央大学の１年生だった2014年にイタリア初挑戦。彼が所属したモデナは、“世界最高峰”と言われるセリエAで11度のリーグ優勝（2014年までに）を誇る強豪だった。そこで３か月間プレーした石川は、当時の心境を最新インタビューで次のように明かしている。

「イタリアで最初のシーズンは、特別なものでした。モデナに在籍していたトッププレーヤーのブルーノ・レゼンデ（ブラジル）とイアルバン・ヌガペト（フランス）が僕に最高レベルのバレーボールを教えてくれ、それが新しい世界の扉を開けるきっかけになりました」

　文字通りワールドクラスの選手たちと一緒にプレーしたことで、さらなる成長を欲する自身に気づいた石川は、「セリエAで優勝が可能なビッグクラブへの加入を希望しました」と振り返る。

【動画】スピードと高さがえぐい！ ミラノ公式が紹介した石川祐希の練習風景はこちら 「もちろん、目標達成には、時に困難に直面することもあり、容易でないことは理解しています。それでも、常に挑戦を続け、新たな学びへの意欲を持ち続けました。そして、それを楽しむ。これこそが、僕が人生で最も大切にしていることなんです」

　また、自身が至福を感じるのは、「ベストなプレーができた時と試合に勝利した瞬間」だという。これまでのキャリアについては、「着実にステップアップを重ねていると思う」と述べ、現在もミラノで続けているイタリア挑戦の成果を実感しつつも、目指す頂点との距離を埋めるべく、さらに進化する決意を新たにしている。

　よりいっそうの飛躍を誓う石川は、自身とバレーボールの出会いについても回顧した。

　初めて出会ったのは、10歳の時だ。当時はまだ小柄だったが、中学校で身長が伸び始め、進学した星城高校でその才能が大きく開花。エースとキャプテンを務め、国内主要３大会すべてを２年連続で制覇する史上初の快挙を果たした。

　その後、中央大学へ進学した石川は、史上最年少となる18歳で日本代表に初招集。そして、“バレーボール大国”イタリアでの挑戦に至ったのだ。