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ゴルフ

ツアー3勝目の稲見萌寧がプレーオフで示した“土俵際の強さ”と最終日に「76」と崩れた原因

山西英希

2021.03.15

スコアを大きく落としながらも優勝を手にした稲見。(C)Getty Images

スコアを大きく落としながらも優勝を手にした稲見。(C)Getty Images

 今年の国内ツアー第2戦『明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント』最終日、終盤を迎えて一時は首位に4人が並ぶ大混戦だったが、勝負は稲見萌寧と永井花奈とのプレーオフにもつれ込む。3ホール目でパーセーブした稲見に対し、永井がボギーを叩き、ついに決着。稲見が今季ツアー2勝目、通算3勝目を飾った。

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 6位タイにまで入った上位7人中5人がオーバーパーという大荒れの展開だったが、中でもスコアを崩したのが稲見だ。

 1バーディ、5ボギーの「76」を叩いたことが混戦を招いた要因でもある。強風の中「66」をマークした前日とは別人のようなプレーとなったが、その理由はクルクルと向きを変える風の読み間違いにあった。

「見事に風向きをすべて反対に読んでしまい、悪い方、悪い方へと流れがいきました」と振り返るように、6番までにスコアを3つ落とす。7番パー5でこの日唯一のバーディを奪ったものの、後半に入っても流れを止め切れず、スコアを2つ落とし、通算6アンダーでフィニッシュ。「スコアを伸ばすのは厳しいと予想していましたが、自分でスコアを落としてギリギリの戦いにしてしまいました」と稲見自身も反省する。
 
 ただ、ギリギリのところで耐えるのが稲見の強みでもある。振り返ってみれば、18年に渋野日向子、原英莉花らと一緒に合格したプロテストがそうだった。

 4日間を戦い、上位20位タイが合格ラインだが、3日目を終えたとき稲見は9位タイにいた。ところが最終日にスコアを3つ落として圏外に。最終18番ホールでバーディを奪ったことで20位タイに復活。まさにギリギリで合格したのだ。詰めが甘いともとれるが、土俵際の強さを持っているのだろう。

 この日も10番パー5で粘りを見せた。ティショットを右隣の15番ホールに落とすと、2打目で戻すのは難しいと判断し、そのまま15番ホールで2打目を打ち、3打目で戻そうとする。しかし、木に当たってガケを上がり切らず、4打目でようやく10番のグリーン近くまで持ってきた。そこからアプローチを70センチに寄せてボギーでこらえた。

「もしもダブルボギーやトリプルボギーだったら心がくじけていましたね。ボギーで終われたのでまだチャンスをあると思いました」と振り返る。2打目以降を打つ際、何度も10番と15番の急こう配を上り下りしたことで、「まるで2ラウンドをプレーした後ぐらいに疲れました」と相当な疲労がたまったが、最後まであきらめない気持ちが稲見を支えていた。
 
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