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マラソン・駅伝

長距離界を席巻する“シューズ革命”に世界陸連会長が期待!「東京五輪で世界記録が出る可能性が高い」

THE DIGEST編集部

2021.03.18

男子マラソンの世界記録を持つエリウド・キプチョゲ。非公式ながら2時間切りも達成している。(C)Getty Images

男子マラソンの世界記録を持つエリウド・キプチョゲ。非公式ながら2時間切りも達成している。(C)Getty Images

 近年、陸上の長距離界ではシューズ革命で好記録が相次いでいる。

 2月28日に行なわれた『びわ湖毎日マラソン』で、鈴木健吾が非アフリカ生まれの選手として初の2時間4分台を叩き出した際に、足元を支えたのも同革命シューズだ。これまでエリート選手は薄いソール(靴底)の軽量化されたモデルが支持されてきたが、カーボンプレートを搭載した厚いソールで走る選手が驚異的な記録を次々と打ち立てたことで、一躍ヒット。シューズの構造としては、着地の際に、曲がったカーボンの反発を推進力に変えて進むというものである。

 同シューズが発売されて以降、魔法のようにタイムが伸びる同靴は人気を博し、マラソンは言うまでもないが10000メートルなどのトラック種目で着用する選手も現れた。しかし昨年12月から800メートル以上のトラック種目では、ソールの厚さが25ミリ以下(スパイクの有無は問わない)と規定が世界陸連で定められたのだ。そこで非厚底でありながら、厚底で得た知見が活かされた反発性に優れたスパイクが誕生した。

 これらシューズの進化に多くのランナーは助けられており、英スポーツメディア『insidethegames』では「世界陸連の会長が新しい靴により東京五輪で世界記録が出る可能性が高い」と興味深い見出しで以下のように伝えた。
 
 世界陸連のセバスチャン・コー会長は、インターネット上の仮想空間に世界初のバーチャル博物館を開設したことを発表した際、記者からロードとトラックにおける靴の技術革命について問われた。そこでコー氏は「(革命的な靴は)全ての世代や現代におけるスポーツ史に記録した全てのイノベーションを反映したもの」であるとし、「東京五輪で世界記録が誕生することを願っている。高いレベルのパフォーマンスとなる全ての要素を繋ぎ合わせたものが結果として反映されるのではないか」と考えを明かした。

 シューズ革命により、男女のマラソン記録を含む数々の記録が塗り替えられている。非公式ではあるがエリウド・キプチョゲ(ケニア)が1時間59分40秒と人類初の“2時間切り”にも成功。トラックでは、ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)が5000メートル(12分35秒36)、10000メートル(26分11秒00)と更新。女子5000メートルでも14分6秒62とレテセンベト・ギデイ(エチオピア)により樹立されている。今夏に開催予定の東京五輪では陸上・長距離種目の記録に注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

【PHOTO】東京五輪での躍動を期す陸上スターたちを一挙紹介!
 

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