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最強軍団オールブラックスの秘密に迫る一冊!チーム作り、育成、歴史や文化に至るまで

THE DIGEST編集部

2019.10.20

最強軍団オールブラックスのすべてが、この1冊でわかる!

 現在行なわれている、ラグビーW杯2019日本大会で3連覇を狙う、ニュージーランド代表こと"オールブラックス"。人口わずか479万人の国がいかにして誰もが認める世界最強のチームになったのか?

 ニュージーランド代表チームの裏側を取材したノンフィクション本『ALL BLACKS 勝者の系譜』が東洋館出版社より発売されている。ラグビーファン必見のオールブラックスの強さについて、本書より一部を紹介していこう。


 世界一の司令塔、ボーデン・バレットは幼少期についてこう語っている。「母は、僕たち兄弟を学校から家まで走って往復させていました。5キロの距離を裸足で走るんです。僕は当時10歳でした。おかげで足は丈夫になりましたよ。やりたくないことこそ、やった方がいいんです。本当にやりたくないと思ったことが、後から力になる。身体を鍛えて、技術を磨いたことで、ここまでやってこられたと思っています」

 伝説のキャプテンと呼ばれるリッチー・マコウは、「調子が悪かった日のことを忘れないからこそ、前進できるんです。最初は、悪いことは忘れようと努めていました。でもそのうち、悪いことこそ覚えていたいと思うようになったんです。いつだって、調子が悪い日は嫌なものです。でも調子の良い日に、悪い日のことを覚えているからこそ、ニュージーランド人とオールブラックスはやるべきことをやるんです。最悪の事態が起こった日については、より鮮明に記憶に残ります。だから地に足をつけ、前進し続けられるんです」と言う。
 また、キックオフ前にニュージーランド代表がパフォーマンスする"ハカ"については、最高品質のパスを繰り出すSHアーロン・スミスが語る。「ニュージーランドでは、すべての民族、すべての町が、ハカを持っています。でもオールブラックスが舞う2つのハカはとくに純粋な存在です。それぞれの動作、言葉に込められた正しい意味を理解しようとしていますからね。ハカのすべての言葉に、意味と目的があります」

 このように、チームづくりだけでなく、成り立ちや歴史を追い、最強のDNAを持つマウリ族との邂逅、世界大戦が引き起こした悲劇、受け継がれる伝統、強くなるための育成、そしてチームとしての成長についても記されている。

 緻密な取材と数多くの証言をもとに、オールブラックスについて最も詳しく書かれている書籍となる。オールブラックスのことを本書で学び、ラグビーだけでなく人としての強さとは何か、生きるとは何か、について考えるきっかけになる一冊だ。

【書籍情報】
ALL BLACKS 勝者の系譜
著/ピーター・ビルズ、翻訳/西川知佐
発行/2019年10月14日
価格/2,200円(本体)
発行元/東洋館出版社
https://amzn.to/2It71Xa

構成●THE DIGEST編集部