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なぜ桃田賢斗はマレーシアの伏兵に敗れたのか。100日後に迫る東京五輪へ、「ゼロから出直します!」と決意

矢内由美子

2021.04.02

国際大会に復帰した桃田だったが、ベスト8で涙を呑んだ。(C)Getty Images

国際大会に復帰した桃田だったが、ベスト8で涙を呑んだ。(C)Getty Images

 バドミントン男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)が、昨年1月のマレーシア遠征中に起きた交通事故で右眼窩底を骨折して以来、1年2か月ぶりの国際大会となる「全英オープン」(3月17~21日、英国バーミンガム)に出場し、ベスト8で敗退した。

 桃田は実戦復帰となった昨年12月の全日本総合選手権では、苦しんだ試合もあったがきっちりと優勝を果たし、貫録を示した。今回の全英オープン前は「痛いところもないし、調子も良い。完全に復活した自分を見てもらいたい」と状態の良さを感じながらの出場だったが、思い描いた通りの結果とはならなかった。

 この結果を踏まえ、五輪開幕まで残り約100日余りとなったこのタイミングで全英オープンを振り返りつつ、見えた課題を確認しておきたい。

 全英オープンの桃田はまず1回戦で、世界ランク26位のカシャプ・パルパリ(インド)と対戦したが、この試合では久々の国際大会という緊張感から、随所に余分な力が入ってしまったようだ。開幕前に新型コロナウイルス陽性者が出たことで、試合開始時間が直前まで決まらなかった影響もあったに違いない。

 序盤は連続ポイントを奪ったが、相手がギアを上げると対応が遅れ出し、第1ゲームを21-13で取った後、第2ゲームは20-20まで粘られた。最後は22-20で突き放してストレート勝ちしたが、桃田は「(自分の)以前のパフォーマンスに届いていない実感がある」と話していた。

 それでも1試合をこなしたことで身体の反応などにスイッチが入り、世界ランキング31位のプラノイ(インド)との2回戦は、21-15、21-14と危なげなく勝利した。
 
 だが、調子を上げつつ迎えた準々決勝で足元をすくわれた。相手は世界10位の22歳、リー・ジージャ。マレーシアの第1シングルスであるリーは、身長186センチを誇り、高い打点から打ち下ろす高速スマッシュを武器とする選手だ。とはいえ、これまでの対戦は桃田が6戦全勝。桃田がしっかりと力を出せれば、問題はないものと思われた。

 ところが第1ゲーム、前半は先行する展開だったが、15-12から7連続でポイントを失うなどして16対21でこのゲームを落としてしまう。続く第2ゲームは終盤まで粘ったが、19-19から相手の勢いに押されて19対21。ゲームカウント0-2でストレート負けを喫した。
 
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