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五輪金メダルに挑む松山英樹はジンクスを覆せるか?過去データはマスターズ勝者に逆風「もし歴史が繰り返すなら…」

THE DIGEST編集部

2021.04.21

アジア史上初のマスターズ制覇を成し遂げた松山。地元開催での五輪に士気は高い。(C)Getty Images

 松山英樹がマスターズで優勝してから、1週間以上が経った。日本人男子史上初の偉業を成し遂げた29歳への期待は、今後さらに増していくだろう。

 中でも注目なのが、間近に控える東京オリンピックだ。現役マスターズ王者が母国で迎えるオリンピックとなれば、ゴルフ競技では日本人初となるメダル獲得も十分視野に入ってくる。帰国後の会見では、松山本人も「無事開催されるなら金メダルを目指して頑張りたい」と語り、気合いは十分だ。

 しかし、ゴルフを専門的に扱うライターのデイビッド・デュセク氏は、これに懐疑的なようだ。同氏はゴルフ専門サイト『Golfweek』に記事を寄せ、「2021年のマツヤマにより大きな成功を望むなと、スタッツは言っている」と見出しを打ち、今後の活躍に否定的な見方を示した。というのも、過去のマスターズ優勝者のその後の成績を調べると、大方の場合、上手くいっていないというのだ。

 同氏によると、2009年から2019年まで11年間のマスターズ覇者の当該シーズンの優勝、トップ10、予選落ちの数を調べた結果、「マスターズを制することは、一般的にはそのシーズンのさらなる優勝にはつながらない」のだという。

「11人の優勝者のうち6人が、マスターズで勝った後に優勝できていない。(11人を)グループとして考えると、(11年間で)合計9回しか優勝できていない。マスターズ以降の残りのツアーで全て予選突破したのも、2013年のアダム・スコットだけだ」
 
 コロナ感染対策のため、東京オリンピックは海外の観光客を受け入れずに開催されると見られており、他の選手よりも多くの応援を受けられること、そして国内コースの経験値があることを同氏はポジティブな要素として挙げつつも、「もし歴史が繰り返すなら、2021年のマツヤマのさらなる成功は見られないだろう」と結論づけて、記事は締め括られている。

 世界トップレベルの競争はそれだけ激しいということだろう。しかし一方で、前述のスコットや2015年のジョーダン・スピースは、マスターズの後に3大会を制し、タイガー・ウッズに関しては過去5回のマスターズ優勝(1997、2001、2002、2005、2019)のうち4回は当該シーズンのうちに複数回の優勝を果たすなど、例外があるのも事実だ。

 松山はこうした予想を覆すことができるだろうか。満を持して迎える母国開催のオリンピックで、新たな例外となってくれることを期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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