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バレーボール

Ⅴリーグ機構が会長人事を発表。日本協会の理事改選前の“続投宣言“に疑問の声も

北野正樹

2021.04.22

嶋岡会長の「JVA会長として、東京五輪に注力したい」という言葉に違和感を覚えた関係者もいた。写真提供:Vリーグ機構

嶋岡会長の「JVA会長として、東京五輪に注力したい」という言葉に違和感を覚えた関係者もいた。写真提供:Vリーグ機構

 日本バレーボール機構(Vリーグ)は4月21日、嶋岡健治会長が退任し、後任に国分裕之副会長が就任する会長人事を発表した。
 
 嶋岡会長は元男子バレー日本代表で、1972年のミュンヘン五輪金メダリスト。2015年7月から会長(代表理事)を務め、17年からは日本バレーボール協会(JVA)会長(同)も兼務していた。リモートで開いた記者会見で嶋岡会長は、退任理由を「JVA会長として、東京五輪に注力したい」と語った。国分氏は「ファンファーストの運営で、少子化の中で競技人口を拡大し日本代表の強化につなげたい」と抱負を述べた。
 
 今回の人事について、Vリーグのチーム関係者は「JVA会長とV機構会長を兼務するのには、初めから無理があった。どちらも会長として改革を進めていかなければならない時期だけに、どんなに優秀な人でもあっても兼務は難しい」と、遅すぎた兼務解消を指摘。

 JVAの理事経験者は「競技団体を束ねる日本協会会長と、傘下の競技団体のひとつであるVリーグ機構会長では、立場によっては利害関係も含めて相反するだけに、兼務はおかしかった」という。また、JVAの評議員経験者は「JVAの理事改選は6月に行なわれる。過去に現職の会長が理事に再任されず、事実上の解任となったケースもあった。理事を決める評議員会を前に『JVA会長として東京五輪に力を注ぎたいからV機構会長は辞めた』というのは、事実上のJVA会長の続投宣言にも受け取れることから、違和感を覚える」と、JVA理事改選を前にした嶋岡会長の発言に首をかしげていた。

文●北野正樹(フリーライター)

【プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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