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バレーボール

「期待半分、不安半分」男子バレー“龍神NIPPON”が本格始動へ!中垣内監督は若手の台頭に期待

北野正樹

2021.04.26

「臨機応変」とスローガンを掲げた中垣内監督。(C)JVA 2021/04/26撮影

「臨機応変」とスローガンを掲げた中垣内監督。(C)JVA 2021/04/26撮影

 日本バレーボール協会は4月26日、日本代表男子「龍神NIPPON」のリモートによる記者会見を開いた。

【動画】JVAが公開した“龍神NIPPON”のトレーニングの様子

 中垣内祐一監督は、東京五輪がコロナ禍で1年延期となったことについて「期待半分、不安半分。1年延びたことで、技術力や戦術への理解が深まり、ブラッシュアップすることができた。その反面、自国開催でこれまでやってきたことが正しかったのか、真価を問われるプレッシャーは大きい。若い新しい戦力を試す機会ができれば、日本の戦力は厚くなる」と、2019年以来の国際大会を通して若手の台頭に期待した。

 チームは4月5日から東京・ナショナルトレーニングセンターで始動。会見には今年度の代表に登録された24選手のうち、柳田将洋(サントリー)、西田有志(ジェイテクト)ら18選手が出席した。

 今年度から主将に抜擢された石川祐希(イタリアセリエA・ミラノ)は、イタリアでの試合が終了したばかりで帰国しておらず、欠席。帰国後の隔離期間などから、国内での親善試合や紅白戦には出場しない。 

 チームのテーマは「臨機応変」だ。中垣内監督は、コロナ禍で様々な制約が生まれスケジュールの変更が余儀なくされるなど、イレギュラーな状況の中でも柔軟に対応することや、戦術や戦略についても相手の対策などに合わせて対処できるようにすることをチームに求めた。
 
 また、今年度の主将に、柳田に替えて石川を指名したことについて「五輪を前に主将を替えることに、様々な意見があるのは承知している。本来なら、(五輪が行なわれた)昨年が4年間の集大成で、花を咲かせるつもりだった。1年延長になって、すでに次のパリに向けた強化が始まっている。それを見据えた変更」と、中長期的な強化を考えた結果であると説明した。

 柳田は「主将であっても、そうじゃなくても、やることは変わらない。アウトサイドは選手の層が厚い。アピールして代表に残れるようにしたい」と若手選手らとの競争に勝ち抜く決意を表明。2019年のワールドカップで、強烈なサーブとアタックで代表でもエースとなった西田は「持ち味の強気のサーブでチームにいい流れを持っていきたい」と意気込んだ。

 また、福沢達哉(パナソニック)とともにチーム最年長で五輪経験者の34歳、清水邦広(同)は脚の大けがから2度復活し、「(リオ五輪出場を逃し)自分のせいだ、とバレーを辞めたくなったが、けがでコートから離れて改めてバレーが好きなんだ、とわかった。集大成にしたい」と5年前の雪辱を誓っていた。

 男子代表は5月1、2日に五輪でも使用する東京・有明アリーナで中国と親善試合を無観客で行ない、8、9日は群馬・高崎アリーナで紅白戦を開催。その後、イタリアで約1か月間、FIVBネーションズリーグを戦った後、五輪代表の12選手を選ぶ。

文●北野正樹(フリーライター)

【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。
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