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モータースポーツ

「結果を出せなければおかしい車」角田裕毅らが駆るF1マシン「AT02」を英メディアが最高評価!「欠けているのは……」

THE DIGEST編集部

2021.04.30

英メディアはアルファタウリのマシン「AT02」の速さについて、「予選のペースにおいて同チームは4番目に速い」とデータを示した。(C)Getty Images

英メディアはアルファタウリのマシン「AT02」の速さについて、「予選のペースにおいて同チームは4番目に速い」とデータを示した。(C)Getty Images

 角田裕毅とピエール・ガスリーを擁するスクーデリア・アルファタウリは、ここまで2021年F1世界選手権の2戦を終えて、8ポイント獲得でコンストラクターズランキングの5位につけている。

 これはチームプリンシパルのフランツ・トストが戦前に掲げていた目標と同じ順位であり、その意味では幸先の良いスタートと言えるかもしれないが、ガスリーが2戦ともに予選5番手だったこと、角田が2戦目エミリア・ロマーニャ・グランプリでリスタート時には9位につけ、さらに順位を上げる可能性があったことを考えれば、むしろ多くのポイントを逃したという思いの方が強いのは当然だ。

 ただ逆に言えば、このような“失望”を抱けるのは、アルファタウリがドライバーだけでなく、マシンにも高いポテンシャルを秘めているからでもあるだろう。英国の専門メディア『THE RACE』などは、現時点でのF1ベストカーにアルファタウリの「AT02」を挙げているほどである。

 同メディアは、「アルファタウリがF1のレースでドライブするのに最適なマシンであると語る上で、獲得ポイント8というのは相応しい数字ではない」としながらも、「予選のペースにおいて、同チームは4番目に速い」と、データを示してその有能さを主張する。

「マクラーレンやフェラーリと2番手グループのトップを争えるほどに速い」AT02は、安定感があり、バランスも良く、ドライバーが自信を持ってコーナーに飛び込んでいける逸品であり、それは車載カメラなどからも窺えるとのこと。イモラでは、優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンよりも、ガスリーのハンドル捌きの方が快適に見えたという。

「低速でも高速でも安定している」(ガスリー)車を作り上げられた理由として、同メディアはマクラーレンに移籍したジェームス・キーに代わり、ジョディ・エギントンがテクニカルディレクターに就任したことが大きいと見ている。大きなチーム向きの前任者より、エギントンTDはより実用的なアプローチで、利点をより最適に活かせているという。
 
 現時点では、AT02のポテンシャルをより引き出しているのはガスリーであり、とりわけイモラではスピードの面で一貫性を示していたと評価する一方で、角田については無理なプッシュで車をクラッシュさせたことを厳しく指摘している。

 とはいえ、ガスリーも決勝レースでは、他車との接触、タイヤの選択ミスによって予選の好結果をフイにしてしまった。タイヤということでは、開幕戦バーレーンGPで角田がミディアムを履いたことで、Q3進出を阻まれたが、これらはチームのミスとも言える。

 同メディアは、AT02を「結果を出せる車。それができないのはおかしい。全てにおいてうまくいくはずだ」と高く評価。欠けているのは、「GP当日のチームやドライバーの“実行”だけ」であり、「これらが全て揃えば、幾つかの素晴らしい結果につながるはず」だという。もちろん“素晴らしい結果”には、目標であるコンストラクターズランキング5位も含まれる。

 角田に対しては、スピンを喫した際に「車が良いのだから、無理をする必要はなかった」という指摘が多く寄せられたものだが、チーム全体がこのアドバンテージを活かすことに全力を尽くすべきということだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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