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イモラで高い授業料を払った角田裕毅に必要なものは?英メディアが指摘「いつ仕掛けるかを適切に判断したい」

THE DIGEST編集部

2021.04.28

イモラでの二度のスピンを角田自身も反省している。次戦のポルトガルGPでは修正してくるだろう。(C)Getty Images

イモラでの二度のスピンを角田自身も反省している。次戦のポルトガルGPでは修正してくるだろう。(C)Getty Images

 F1デビュー戦となった開幕戦バーレーン・グランプリでは9位入賞を果たし、大いに称賛されたアルファタウリの角田裕毅だったが、続くエミリア・ロマーニャGPは予選、決勝ともにスピンを喫するなど、“新人らしさ”を露呈した悔いの残るレースとなった。

 レッドブルのヘルムート・マルコ顧問からは「馬鹿げたミス」と叱責され、角田自身も猛省することとなった二度のスピンは、無理なプッシュによって引き起こされたものであり、アルファタウリのフランツ・トスト代表やジョディ・エギントンTDからは、学習中のルーキーとして想定内のアクシデントだと擁護されたものの、英国の専門メディア『THE RACE』は、このルーキーが次戦ポルトガルGP以降で「良い判断を示す必要がある」と主張している。

 同メディアは、角田がまだミスが許される立場であると綴り、またフェルナンド・アロンソもミナルディからデビューした2001年のサンマリノGPでF1での初クラッシュを経験したこと、そして今季、アロンソ、セルジオ・ペレス、ダニエル・リカルドら新たなチームに移籍したドライバーがミスを犯したことを紹介し、イモラが非常に難しいコースであると擁護した。
 
 角田のイモラでの問題点としては、やはり過剰なプッシュにあると指摘。予選でも、チームメイトのピエール・ガスリーほど速くはないものの、アルファタウリのマシンでQ1を突破するのは比較的容易であり、最初のアタックであれほどのリスクを冒す必要はなかったと同メディアは主張する。

 また、決勝のリスタート直後のスピンについても、やはりあの時点での仕掛けはリスキーであり、手に入れられたであろう7位のポジションを「無駄なアクション」でみすみす手放したと断じた。

 角田が決して無謀なドライバーだと同メディアは見ておらず、イモラでも、赤旗中断前のレース運びは実に冷静であり、チャンスを窺いながら、それを決して逃さないクレバーさを見せていたと評価。しかし、レース中断以降は精神的に安定感を失ったことを角田自身が明らかにしており、同メディアはチームがこれを管理すべきだったと訴えている。

 20歳のドライバーということでミスを犯すのは当然であり、角田はそれを即座に認識して改善につなげる力を有している。その上で同メディアは、彼に必要なのは「いつ仕掛けるかを適切に判断すること」だと訴える。マシンの競争力に見合った結果を残し、コンストラクターズランキングでチームを相応しい順位に押し上げるためには、このルーキーがいかに早く適切な判断力を体得するかが大きな影響を与えるという。

「ミスを繰り返さないための内省の力を持っていることが良さ」(同メディア)という角田が、今後のレースでどれだけ成長を見せることができるか。今週末のポルトガルGPでのドライビングに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部

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