1993年の500ccクラス世界王者で、MotoGPの殿堂にも名を連ねるケビン・シュワンツが、不調にあえぐヴァレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハ・セパン・レーシング・チーム)について発言して話題を呼んだが、去就が注目される“THE DOCTOR”には、これがエールとなったようだ。
シュワンツは『Autosport Tank Slappers Podcast』で「ヴァレンティーノが心配だ。カタールGPは予選が少し良かったが、ポルトガルGPとスペインGPでは本当に苦労していた。彼は今、間違いなく楽しめていない、バイクが心地よくなくて、それが原因で順位を落としているのかもしれないが、まだ闘志が残っていると思うし、46番は戦えると信じているよ」と数日前に語っていた。
また、WSBK(スーパーバイク世界選手権)でドゥカティを駆り、4度の世界チャンピオンに輝いたカール・フォガティも「MotoGPはテクノロジーのレベルが高すぎて、ライダーの真の才能が分かりにくい。ロッシはこの状況を楽しめていないだろう。彼なら電子制御なしでもトップを走れると思うし、我々のスポーツの中で最も大きな名前なんだ」と『Man on Wheels』のインタビューに答えていた。
フランスGPを直前に控えたロッシは「この15年間、何の報道も読んでいない」としながらも「シュワンツとフォガティの僕に対するコメントをSNSで見ました。支持してくれた元王者たちに感謝したい。ケビンが“まだ戦える”と言ってくれたのは嬉しいし、それが正しいことを証明するつもりだよ」と少年時代に憧れたライダーからの言葉を喜んだ。
奇しくもふたりのレジェンドから「楽しめていない」という表現が出たが、ロッシ自身も以前から「楽しめているかどうか、どれだけ競争力があるか」が現役を続けるか否かの判断基準であることを認めており、シーズン前にヤマハと締結した1年契約には『パフォーマンス条項』といわれる内容が盛り込まれている。
5月末に開催される地元イタリアGPで自らが運営する『Team VR46』のMotoGPクラス参戦体制など、何らかの発表がなされると予想されているが、その前に最高峰クラスで過去3勝を挙げ、「素直に好きで、歴史的にヤマハにとって良いコース」と話すル・マンでのレースで復活の狼煙を上げることはできるだろうか。
文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
シュワンツは『Autosport Tank Slappers Podcast』で「ヴァレンティーノが心配だ。カタールGPは予選が少し良かったが、ポルトガルGPとスペインGPでは本当に苦労していた。彼は今、間違いなく楽しめていない、バイクが心地よくなくて、それが原因で順位を落としているのかもしれないが、まだ闘志が残っていると思うし、46番は戦えると信じているよ」と数日前に語っていた。
また、WSBK(スーパーバイク世界選手権)でドゥカティを駆り、4度の世界チャンピオンに輝いたカール・フォガティも「MotoGPはテクノロジーのレベルが高すぎて、ライダーの真の才能が分かりにくい。ロッシはこの状況を楽しめていないだろう。彼なら電子制御なしでもトップを走れると思うし、我々のスポーツの中で最も大きな名前なんだ」と『Man on Wheels』のインタビューに答えていた。
フランスGPを直前に控えたロッシは「この15年間、何の報道も読んでいない」としながらも「シュワンツとフォガティの僕に対するコメントをSNSで見ました。支持してくれた元王者たちに感謝したい。ケビンが“まだ戦える”と言ってくれたのは嬉しいし、それが正しいことを証明するつもりだよ」と少年時代に憧れたライダーからの言葉を喜んだ。
奇しくもふたりのレジェンドから「楽しめていない」という表現が出たが、ロッシ自身も以前から「楽しめているかどうか、どれだけ競争力があるか」が現役を続けるか否かの判断基準であることを認めており、シーズン前にヤマハと締結した1年契約には『パフォーマンス条項』といわれる内容が盛り込まれている。
5月末に開催される地元イタリアGPで自らが運営する『Team VR46』のMotoGPクラス参戦体制など、何らかの発表がなされると予想されているが、その前に最高峰クラスで過去3勝を挙げ、「素直に好きで、歴史的にヤマハにとって良いコース」と話すル・マンでのレースで復活の狼煙を上げることはできるだろうか。
文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super