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格闘技・プロレス

「イノウエへの復讐に向けた一歩だ!」“不老不死の王者”ドネアの鮮烈TKOに母国メディアも熱狂「バンダム級の統一へ…」

THE DIGEST編集部

2021.05.31

バンダム級で絶対的な強さを誇る井上(左)とのリマッチを明言したドネア(右)。19年以来の対決が実現すれば、話題沸騰となるのは必至だ。(C)Getty Images

バンダム級で絶対的な強さを誇る井上(左)とのリマッチを明言したドネア(右)。19年以来の対決が実現すれば、話題沸騰となるのは必至だ。(C)Getty Images

 衰えは微塵も見られなかった。

 現地時間5月29日、米カリフォルニア州カーソンで行なわれたWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦で、挑戦者のノニト・ドネア(フィリピン)は、王者のノルディーヌ・ウバーリ(フランス)から4回TKO勝ちを収め、2年ぶりの王座に返り咲いた。

 チャンプの軽快なフットワークでの仕掛けにも動揺せず、序盤戦をやり過ごしたドネアが、攻勢に出たのは3回だった。ウバーリが左のアッパーを繰り出すと同時に左フックをピンポイントで顎に叩き込んで一度目のダウンを奪取。これでペースを一変させた。

 足に疲労の色が見え始め、動作が鈍くなるウバーリから3ラウンド目の終了を告げるゴングとほぼ同時に2発目の左フックで再びダウンを奪ったドネアは、「セコンドからは『おまえは距離が取れるから大丈夫だ』と言われていた。だから勝てると思っていた」と冷静に4ラウンド目へ向かう。そして、右ストレートからの左フックという威力十分のコンビネーションパンチを炸裂。これには17戦無敗の王者もたまらずに崩れ落ちた。

【動画】歴史を作った! ウバーリ撃破したドネアの渾身KOシーンはこちら
 同階級の史上最年長王者となったドネアの力強い戦いぶりは、世界に衝撃を与えるとともに、母国を大きく活気づかせるものとなっている。

 フィリピンのスポーツ専門メディア『SPIN』は、ドネアの奮闘ぶりを「キャリアの晩年を迎えているドネアだが、目標を見失ってはいない。不老不死のフィリピン王者は、再びバンダム級の統一への第一歩を踏み出した」と絶賛。そのうえで、本人が試合後のリングで明言した井上尚弥との再戦についても触れている。

「ドネア陣営の目標は、2年前に埼玉で敗れていた“日本のモンスター”であるイノウエへの復讐であり、バンダム級王座の統一だ。彼らはどれもが認める無敵のチャンピオンになろうとしている。このウバーリ戦は、その野望を叶えるための第一歩に過ぎない」

「フィリピンの閃光」の異名に恥じない強さを誇示してみせたドネアは、まだまだ健在だ。そんなベテラン戦士が、「もう一度戦うんだ」と指名した井上は来る6月19日にマイケル・ダスマリナスと対戦予定となっているが、その戦いの末に両雄が再び拳を交わす日は訪れるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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